千葉・流山のパート社員殺人:元少年に懲役15年 有期刑の上限−−千葉地裁判決
毎日新聞 2012年11月22日 東京朝刊
千葉県流山市で97年、会社員の田島由美さん(当時24歳)を自宅で殺害するなどしたとして強盗殺人と強盗強姦(ごうかん)などの罪に問われた当時17歳の男(33)の裁判員裁判で、千葉地裁は21日、求刑通り懲役15年の判決を言い渡した。斉藤啓昭(ひろあき)裁判長は量刑理由について「無期懲役を選択した」とした上で、当時の少年法の量刑緩和規定に基づき「有期刑の上限である懲役15年に処するのが相当」とした。
男は公判で強盗や暴行は認めたが殺害行為は否認。「いったん外に出て、お金を返そうと現場に戻ると女性が死んでいた」などと主張した。
判決では「被告は捜査段階で殺害を認め、供述内容は遺体や現場の状況に符合している」と殺害を認定。「強固な殺意に基づく残忍な犯行。公判直前に殺害していないと弁解するなど、更生は容易ではない」と指摘した。
この事件では同年6月に田島さんの祖母(故人)と姉夫婦が殺人容疑で誤認逮捕され、その後、不起訴処分となった。千葉県警は今年1月、別の事件で服役中だった男を逮捕。姉ら親族は被害者参加人として意見陳述した。【黒川晋史、松崎真理】