千葉・流山のパート社員殺人:元少年に懲役15年求刑 「弁明は不自然」−−千葉地裁公判
毎日新聞 2012年11月16日 東京夕刊
千葉県流山市で97年5月、会社員の田島由美さん(当時24歳)を殺害するなどしたとして、強盗殺人などの罪に問われた当時17歳の男(33)の裁判員裁判の論告求刑公判が16日、千葉地裁(斉藤啓昭(ひろあき)裁判長)であり、検察側は「本来なら無期懲役と考えた」としたうえで、少年法が定める懲役刑の上限に当たる15年を求刑した。判決は21日に言い渡される。
男はこれまでの公判で、強盗や暴行の事実は認めていたが、「一度、外に出てから戻ってくると死んでいた」などと殺害行為については否認してきた。これに対し、検察側は論告で、「すぐに殺されたのでなければ、被害者が家族などに通報したはずで、被告の弁解は不自然で不合理」と反論した。
起訴状などによると、男は田島さんを刃物で脅しキャッシュカードなどを奪い、乱暴後、背中を刺すなどして殺害したとされる。
事件では同年6月に、殺人容疑で千葉県警に逮捕された田島さんの親族3人が証拠不十分で不起訴処分となった。県警は今年1月、男を逮捕、3人について誤認逮捕を謝罪した。【黒川晋史】