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無期懲役を求刑

2012年11月17日

 弘前市で昨年5月、山形きぬ子さん(当時77)の殺害された遺体が自宅の床下から見つかった事件で、殺人や死体遺棄など四つの罪に問われた隣人で親戚の無職田中栄被告(58)=同市南富田町=の裁判員裁判が16日、青森地裁(武田正裁判長)で結審した。検察側が無期懲役を求刑し、弁護側は無罪を主張した。判決は22日に言い渡される。

 検察側は、被告宅から見つかったクロスボウに付着した血痕のDNA型が山形さんのものと一致したと主張。事件直後に帰宅した山形さんの夫(76)がクロスボウを持った被告を目撃しており、被告が事件当時、山形さん宅にいたとした。土地境界線を巡る争いで法律に基づいた主張をする山形さんを逆恨みした理不尽な動機による計画的で残忍な犯行であると強調した。

 被害者参加制度により、遺族側代理人弁護士は「死刑または無期懲役にすべきだ」と求刑意見を述べた。

 弁護側は、護身用に所持していたクロスボウは自宅から持ち出したことはなく、警察の捜査過程で血痕が付着したと主張。土地境界線の争いについては法的手続きでの解決を望んでおり、殺害の動機にはならないとした。田中被告は「現場に行っていない。無実ははっきりしている」などと意見陳述した。

 起訴状などによると、田中被告は昨年5月23日夜、山形さん宅に侵入し、クロスボウの矢を打ち込むなどした後、窒息死させ、床下に遺体を遺棄。殺害後に帰宅した山形さんの夫にクロスボウの矢を発射するなどして脅したとされる。

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