名古屋−鹿島 前半35分、2点目を決められぼうぜんとする名古屋GK楢崎(中央奥)=豊田スタジアムで(今泉慶太撮影)
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名古屋グランパスは本拠地最終戦で鹿島に1−2で敗れ、6位に後退した。広島は佐藤寿人(30)の今季22点目のゴールなどでC大阪に4−1で快勝して勝ち点61、2位仙台が敗れたことで初の年間優勝を決めた。森保一監督(44)は、日本人の元Jリーガー監督として初めてJ1を制し、3万2724人の大観衆の前で宙を舞った。広島は12月6日開幕のクラブワールドカップ(W杯)に開催国代表で出場する。14位のC大阪、15位神戸、16位G大阪、17位新潟の4チームは、最終節に残留を懸けることになった。
◆鹿島2−1名古屋
今季を象徴するような幕切れでV逸が決まり、切望している3位の座も遠のいた。ホーム最終戦で手痛い星を落としたストイコビッチ監督は、会見で目の前の机をたたいて怒りをあらわにした。
「私が怒っている、気分を害している理由はバカなミス。これだけは大嫌いだ。自陣のペナルティーエリア内ではテクニックを見せようとしなくていい。クリアをすればいいんだ」
名指しこそ避けたが、非難の的にしたのはDFダニエル。前半7分にエリア内で安易にボールをキープしようとして奪われ、失点したシーンを繰り返し俎上(そじょう)に載せた。
今季は不注意から何度も失点し、勝ち点を落としてきた。GK楢崎は「負けパターン? そのまんま。大事な試合でことごとく負けてきて、最後もその通りになった」。DF闘莉王も「ヘボいから負けた」と自嘲した。
ホームでの勝負弱さも克服できなかった。豊田スタジアムに限っては3勝4敗2分けと黒星先行。全体でも8勝6敗3分けにとどまった。昨季は1敗しかしなかった牙城が崩壊しては、優勝など夢物語。ストイコビッチ監督は「がっかりしている。ホームのスピリットがなかった」と嘆いた。
試合後にはホーム最終戦恒例のセレモニーが行われ、ピクシーは天皇杯を含めた残りの試合に全力を尽くすことをファンに約束した。
「希望は残っている。浦和に勝つしかない」。6位に後退したとはいえ、最終節の浦和戦に勝てば逆転でアジアチャンピオンズ・リーグ(ACL)出場権が手に入る可能性がある。ピクシー政権5年目の総決算。わずかに残った可能性をとことん追い求める。 (木村尚公)
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