鉄道事故:電車にはねられ、男性と救助の女性死亡−−埼玉・JRの踏切
毎日新聞 2012年11月25日 東京朝刊
24日午後3時35分ごろ、埼玉県本庄市銀座1のJR高崎線の上町踏切(警報機、遮断機付き)で、市内の病院に入院中の男性(70)と、市内の無職、中村のり子さん(60)が、高崎発小田原行きの上り快速電車(10両編成)にはねられた。2人は全身を強く打ち、男性は間もなく死亡、中村さんも運ばれた病院で約1時間後に死亡した。
埼玉県警本庄署やJR東日本高崎支社によると、2人は面識はないとみられる。運転士らが目撃した話では、男性が踏切内でしゃがんで落とし物を拾っていたところに中村さんが駆け寄り、後ろから男性を抱えて線路外に引っ張り出そうとしていてはねられたらしい。踏切の外には2人の自転車が止められていた。同署は中村さんが男性を助けようとしてはねられたと見て調べている。中村さんは「入院中の母親の見舞いに行く」と言って出掛け、男性は「買い物に行く」と言って病院を出たという。踏切内には男性が買ったつえなどが散乱していた。
現場はJR本庄駅から西へ約600メートルの静かな住宅街。上下8本が運休、同6本が最大で1時間遅れ、約1万人に影響した。【合田月美、大平明日香】