◇カシオワールドOP<第2日>
▽23日、高知県・Kochi黒潮CC(7300ヤード、パー72)▽曇り、気温17・8度、風速0・7メートル▽賞金総額2億円、優勝4000万円▽104選手(うちアマ4人)▽観客3770人
ツアー初優勝を狙う宮里優作(32)が首位に浮上した。6バーディー、1ボギーの67と伸ばし、通算9アンダー。7位から首位に浮上した。昨年は初日に首位発進しながら最後は2位。プロ11年目を迎えた宮里3兄弟の次兄が、今度こそ悲願をつかむ。賞金ランキング1位の藤田寛之(43)=葛城GC=は69で回り、通算7アンダーの5位に浮上。石川遼(21)=パナソニック=も69をマークし、通算6アンダーの10位につけた。
派手なガッツポースはない。その分、冷静に伸ばした。宮里優が6バーディーで首位浮上。「テンションを上げすぎるでもなく、いい感じでした」。今季、トップに立つのはブリヂストンオープンの第2ラウンド以来、2度目。雨にぬれながら大きくうなずいた。
かみ合った。今週から使う新パター。ヘッドをマレット型から「B」の形に替えた。「前のはタッチがあいまいになっていた」。コロンビアの英雄カミロ・ビジェガスも使った変型パターで1番、11番、15番と2メートルを沈めてバーディー。16番では5メートルも決めた。雨が降った後半は「グリーンが柔らかいので突っ込んで打った」とよりピンを狙う戦略に変更。後半4バーディーを奪い、「うまく回れた」と振り返る。
同組は石川と藤本佳則の若手コンビ。体全身を使うスイングに「俺もあんなふうに振っていた。今だと壊れちゃう」と苦笑い。自身も学生時代はタイトルを総なめ。だが、プロ転向後はあと一歩の壁を破れないまま、未勝利でプロ11年目を迎えた。この間、2位が6度。だが、苦汁の分だけ、重ねた味が今はある。
「飛距離は2人にも負けてなかった? 長年の技術。風に乗せるショットです。いろいろ経験して、優勝にも近づいていると思っている」
昨年は初日首位発進。だが、最後に高山忠洋に競り負けた。その昨年覇者は今年、発熱で欠場。「高山さんがいないのが悔しい。ただ、自分は目の前の一打に集中するだけ」。リベンジの相手はいない。でも、狙うはひとつだけ。高知の風に乗り、今度こそ悲願をつかみ取る。 (寺西雅広)
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