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被災住宅解体の公費延長を 東松島市、国に要望
東日本大震災で被災した住宅の公費解体をめぐり、宮城県東松島市が対応に苦慮している。国は解体・撤去を本年度内に完了するよう定めているが、浸水したままの地域に残る住宅も少なくない。市は解体を希望する被災住宅などの所有者に早期の申請を呼び掛ける一方、国に期限の延長を求めている。 震災で全半壊するなどした私有建物の解体費は全額国費で賄われ、国は撤去を含めた作業を年度内と設定。市は解体希望の申請を12月28日に締め切る。 公費解体の期限が迫る中、課題の一つが浸水地域の住宅だ。松島湾と東名運河に挟まれた東名地区の場合、堤防の決壊や地盤沈下で大量の海水が流入し、現在も3〜5メートルの水がたまっている。 浸水面積は約100ヘクタールに上り、数十棟の住宅が残る。重機も使用する解体に取り掛かるには、堤防を仮復旧させた上で水を抜くなどの作業が必要で、年度内に完了させるのは難しい。 仮設住宅などで暮らす住民が、対応を決めかねているケースも多い。市の防災集団移転促進事業などで、新たな土地で住宅を再建できるのは早くても2014年になる。解体と修繕で迷ったり、仮設が狭いため自宅に家財道具を保管したりしているためだ。 市は「被災者の不安を軽減するためにも、解体・撤去期限は住宅再建が可能になるまでの延長を検討してほしい」と国などに要望している。
2012年11月24日土曜日
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