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新明解
四字熟語辞典

新明解四字熟語辞典

三省堂編修所 編

3,360(3,200)円 B6変 864頁 4-385-13620-3

5,600語を収録。スピーチ・入社試験・漢字検定の上級突破などに必携。キーワード別索引・逆引き索引・難読索引・総合索引・出典別索引・読み下し索引など付録も充実。

1998年2月1日 発行


 大きな活字の新明解四字熟語辞典

 まえがき
 凡  例
 見本ページ



 ●まえがき

 特異な作家として知られた、岡本かの子の『生々流転』の中に、「けふは呉越同舟の船かね、それとも一蓮托生の船かね」という一文がある。敵か味方かを直接的な表現ではなく、比喩的に四字熟語を使って、まことに味わい深いものにしている。

 このように、四字熟語はわずか四文字で、人類の長年の英知を、その背景を含めて比喩的に表すことができるし、仏典・仏教語に基づく深遠な意義を含蓄ある比喩として伝えることもできる。さらに、現代の言語生活から生まれた四字熟語を使うことによって、端的に相手の共感を呼ぶこともできよう。このような言葉の便宜性が今日、文章表現やスピーチなどでしばしば引用され、また、多くの人々に好まれる所以でもある。さらに、入学試験や最近話題の漢字能力検定試験などで、四字熟語がよく出題され、四字熟語に対する人々の関心は次第に高まってきている。

 しかし、一方で、多岐多彩な四字熟語の中には、中国数千年の悠久たる歴史を背景とする故事・成句が多く、また、仏典・仏教語からの宗教的な難解な四字熟語も多いことなどから、その使い方が分からず、使いにくいものとして敬遠されがちな傾向もある。

 そこで、本書は、四字熟語の意味を簡潔に定義し、故事にたとえのあるものとないものとを明らかにするとともに、作家などの用例を掲載して、四字熟語の使い方が容易に理解できるように編集した。

 巷間、四字熟語に関する類書は多いが、四字熟語の知識が豊かであっても、時に応じ状況に応じて、四字熟語が自在に使えなければ宝の持ち腐れである。本書は、自在に使いこなすという目的に適う数々の仕組みを案出して、それを一大特色とした。また、入学試験や難解な漢字能力検定試験に対応できるよう、日常たびたび耳にする四字熟語はもとより、中国の典籍からも広範に採録して、類書を凌ぐ語数を収録した。

 四字熟語は学校で学ぶものもあるが、周りの人々からの口伝えで学んだり、新聞・雑誌などマスコミから知ったりすることも多い。えてしてその知識は曖昧であること が多い。

 どうか本書を不断に活用することによって、四字熟語に一層の親しみをもち、文章表現やスピーチなどで効果的に用いるようにしていただきたい。

 本書を刊行するに当たって、ご校閲をいただいた静岡大学助教授江口尚純先生に深く感謝の意を表したい。

一九九ハ年二月

三省堂編修所



 ●凡  例

【編集方針】

一 収録項目数

 本書は、日常の言語生活で見聞きする一般的な四字熟語はもとより、中国の典籍を典拠とする四字熟語に至るまでを、広範な資料から収集して、類書を凌ぐ約5,600項目を精選して収録した。

ニ 収録項目の範囲

 本書に収録した四字熟語は、次のようなものである。

(1) 現代社会の言語生活から生み出された「官官接待・総量規制」などの四字熟語

(2) 日本の古くからの成句・格言などからよく使われる「手前味噌・手練手管」などの四字熟語

(3) 中国の典籍からの故事成語「臥薪嘗胆・櫛風沐雨」などの四字熟語

(4) 仏典・仏教語に由来する「色即是空・四苦ハ苦」などの四字熟語

(5)「背水之陣・一炊之夢」など、「之」が入って四字熟語とみなされるもの

(6)「灯火可親・先従隗始」など、一般には訓読で使われるが、これを音読する四字熟語

三 項目解説

 項目解説は、一般的な意味内容を簡潔明瞭にし、あまり複雑多岐にわたらず、読者が実際の場で必要に応じて、正しく駆使できるように配慮した。また、四字熟語の実用面を強調した内容構成とともに、漢字能カ検定試験や入試・入社試験などに対応した解説も随時加えて、多様な利用がはかれるよう編集した。

【見出し語】

一 見出し語の配列

 見出し語は、四字熟語の読みの五十音順に配列した。同音の場合は一字目(・二字目…)の漢字の画数の少ない四字熟語を先に配列した。なお、四字熟語の読みの中に「…(の)…」という表記がある場合は、「の」を入れて読んでも入れずに読んでもよいことを示すが、この「(の)」の読みは無視して配列した。

ニ 見出し語の表記

 見出し語の字体は、「常用漢字表」及び「人名用漢字別表」に定められた字体のある場合にはそれらに準じた。

三 見出し語の読み方・活用

 漢字表記の見出し語に続いて、その語の構成に準じた読み方を二行に分かち書きし、さらに見出し語がサ変動詞や形容動詞的に活用する場合には、〈―スル〉〈―タル〉〈―ト〉〈―ナ〉などの表現形式を適宜表示して、四字熟語の活用の便をはかった。(例は省略)

【解説項目】

[意味]

一般に熟した具体的な意味をできるだけ簡潔明瞭に示し、必要に応じて、その意味のよりどころとなる原義を解説した。さらに、▽印の参考欄を設けて、語釈・漢字の書き換え・訓読みや上下二字逆転の同義語、その他の参考事項を解説した。

[注意]

読み誤りやすい、また、書き誤りやすい漢字、さらに「常用漢字表」及び「人名用漢字別表」による旧字体、見出し項目の注意すべき語構成など、漢字能力検定試験や人学・入社試験に対応した注意事項を解説した。

[故事]

故事成語には、意味の理解を助けるために、必要に応じて「故事」欄を設け、その故事来歴を簡潔に掲載した。

[出典]

出典は、原則として初出のものを掲示した。書名は『』、作品は「」で示した。作品名が長い場合は割愛して、「(作者)の文」「(作者)の詩」などとしたものもある。また、見出し語の意義を理解するうえで、原文を必要とするものについては、現代かなづかいによる書き下し文を掲げ、それが難解の場合には適宜訳文を補った。なお、出典のうち、

 @『三国志』については、『醜志』『蜀志』『呉志』のそれぞれに分けて掲げた。
 A個人の詩文集については、原則として作者名と作品名を掲げた。

[表現]

その四字熟語を実際の場で使ううえで参考となる、短い句例を掲げた。なお、一般には音読よりも訓読のほうがよく用いられる場合には、訓読の「表現」を掲げたものもある。

 [例] 「没没求活」
     [表現] 没々として活を求めるだけの人生

[用例]

作家・評論家などの作品に出てくる四字熟語の使用例を掲げた。なお、原文が旧字・旧かなで書かれた「用例」は、旧かなづかいを現代かなづかいに改め、「常用漢字表」及び「人名用漢字別表」に掲げられている漢字は新字体に改めた。

 なお、一部前後の語句を調整して、四字熟語の使用例が理解しやすいようにした。

[用法]

作家・評論家などの作品からの適切な「用例」がない場合には、「用法」として、日常会話で使ったり手紙文を書いたりするうえで、参考となる四字熟語の使用例を随時簡潔に示した。

[類義語]

見出し語に類似した意味の四字熟語を掲げた。本欄の類義語は厳密な意味での類義語に限らず、幅広く使用できるよう、表記が異なる同義語、関連・関係語なども含めて掲示した。

[対義語]

反意語をはじめ、対応関係にあるものも含めて掲示した。

【名作の中の四字熟語】

本文の随所に、参考として、「名作の中の四字熟語」コラムを設け、四字熟語の駆使に格別の練達技を示した、明治文豪らの使用例を作品別に掲載した。

【主要出典解説】

巻頭には、多岐にわたる四字熟語の出典の中から、特に重要な五十五点を選び出し、各典籍の特徴的な概略を簡潔に解説した。

【キーワード別四字熟語索引】

一 四字熟語をキーワードで引く  巻頭に、「キーワード別四字熟語索引」を設け、時に応じ状況に応じて、使いたい四字熟語が意味のキーワードから検索できるようにした。

ニ キーワード一覧

 本文収録の主要な四字熟語の意味を、キーワード化して一覧にした。

三 キーワード別索引

 それぞれのキーワードに属する四字熟語を検索しやすいよう、五十音順に収録して本文掲載ページを示した。

【各種索引集】

巻末には、次の各種索引を収録して、本書の利用の便をはかった。

「出典別四字熟語索引」
「故事のある四字熟語索引」
「読み下し四字熟語索引」
「難読四字熟語索引」
「逆引き四字熟語索引」
「総合四字熟語索引」



 ●見本ページ

見本ページ

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