金メダルで日本中を熱狂させた東京五輪の女子バレー決勝「日本・ソ連戦」が、完全版で再放送されることになった。試合全体を記録した映像は現存しないとされてきたが、当時海外へ配信された生中継映像を録画したテープを、スポーツ愛好家が所蔵しているのをNHKが発掘したためだ。NHKにも正確な記録はないが、「丸ごと放送するのは東京五輪以来、初めてではないか」という。
日本がソ連を3―0で下した決勝戦は1964年10月23日夜、NHK総合で生中継された。平均視聴率は66.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。今も日本のスポーツ中継史上、最高の数字だ。
当時はテープが非常に高価だったため、放送局でも上書きして使い回すのが一般的だった。そのため、中継をしたNHKにも金メダルが決まった瞬間などのハイライト映像しか残っていないという。「東洋の魔女」の異名をとった選手たちの勇姿はNHK・BS1で来年1月2日の午後9時から放送される。(田玉恵美)