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パンダのマレーシアへの貸与、保護団体から批判の声

2012年06月20日 15:04 JST配信

【ペタリンジャヤ】 中国が2頭のパンダをマレーシアにレンタルすることが決定し華人社会を中心に期待の声が高まっているが、動物保護団体などからは疑問の声が上がっている。
パンダのレンタルは無料ではなく、中国に対して毎年100万米ドル(300万リンギ)を支払う必要がある。またパンダに適した環境を保つための特別な飼育施設の建設やパンダのエサなどの費用が2千万リンギかかるといわれる。さらに飼育途中で死亡した場合には賠償金も払わなければならない。
マレーシア自然学会(MNS)のマケタブ・モハメド会長は、国内には多くの絶滅危惧種がおり、資金不足でそれらの保護活動や密猟防止活動もままならない状態にあると指摘。それにも関わらずなぜ外国の動物のレンタルに多額の国費を投じるのかと批判している。
実際、資金不足によりマレーシア国内に生息している多くのスマトラサイやトラ、センザンコウなどが密猟の犠牲になっているが、皮肉なことにそれらの多くが漢方薬の材料として中国に密輸されている。
いわゆる「パンダ外交」は、リベラル派などからも冷ややかな目でみられている。ナジブ・ラザク首相が自身のブログでパンダの名前を募集したところ、ネチズンからは「Bersih」(選挙改革の民間組織)とか「ストップ・ライナス」(レアアース計画中止せよ)、「アルタントゥヤ」(殺害されたモンゴル人女性の名。ナジブ首相が関与したと噂された)などナジブ首相を揶揄する意味を込めた名前を書き込んだ者が大勢でたため、首相の面目は丸つぶれとなった。

フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシア・トゥデー、中国報、6月14、16日

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