欧州ではネオナチが拝外主義と結びつき、米国では「強いアメリカ」を叫びながら低所得者への支援を拒否するティーパーティーが一定の力を得ている。明日の見えない若者の間に、拝外主義や破局願望へと傾く素地が醸成されているのではないか。
「ネット右翼」が「金融右翼」を生み、「インフレ目標」「輪転機を回せ」と声高に叫ぶ時代にならない、と誰がいえるだろうか。
「今は選挙だから威勢のいいことを言っているが、安倍さんだって首相になったらバカなことはできませんよ」と霞が関の高官は言うが、インフレと同じように、過激な世論に火がつくと政治家もブレーキが効かなくなる。
尖閣でも、金融でも、威勢のいい発言を繰り返す安倍総裁は、自分の言葉に政策が引きずられることにならないか。
安倍新首相が打ち出の小槌を握るという事態だけは、避けたいものだ。