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姉暖房

近ごろ冷えるのでストーブで暖を取っていたら姉貴に怒られた。
「いま灯油がすごく高いんだぞ!ストーブなんて使ってる場合じゃないだろうが!」

ストーブを消して服を無茶苦茶着込んで寒さをしのごうとしたら
今度はお姉ちゃんに怒られた。
「そんなに服を出したら洗濯が増えるよ!
洗濯機は電気をいっぱい使うし、原油高で電気代も高いんだよ!」

姉貴はいつもの意地悪だとしても、
お姉ちゃんめ、普段はすごく優しくて弟に甘々なくせにどういうことだ。
しかも姉貴より理由付けが強引だ。

仕方ないので姉達の提案に従って、
家中の羽毛布団とタオルケットとおねえぱいをベッドに集め
薄着のお姉ちゃんと、薄着の姉貴と、薄着の弟の巣を作った。
今年はエコのためにこの巣で3人越冬することになる。

パンプキン

弟「ただいまー」

お姉ちゃん「あ、○ーくん!市役所からなんか届いてたよー!パンプキンだって!」

弟「パンプキン?かぼちゃ?どこにあるの?」

お姉ちゃん「これこれこー」

弟「……還付金じゃん」

お姉ちゃん「なーんだ、還付金かぁー」

弟「お姉ちゃん。可愛いと思ってわざと間違えたでしょ」

お姉ちゃん「えへへー」

姉貴「……」

弟「姉貴?」

姉貴「○○!市役所からタマキンだぞ!」

弟「タ、タマキン?きんたま!?」

姉貴「あ、まちがえた!還付金だった!」

弟「わざと下品に間違えたでしょ」

姉貴「にょほほー!」

こわい話

シャワーを浴びててシャンプーを流そうと目を瞑ったまま、
壁にかけてあるシャワーヘッドへ伸ばした手を誰かが握手した。
うわっと思ってよく見るとすぐそばの窓から身を乗り出した姉貴だった。
おどかすなよ。あとちんこ見るな。

夜中に布団からはみ出た足を引っ張られて、
うわっ、足引っ張りお化けだと思ったら
パジャマのズボンをむしりとろうとしてる姉貴だった。
おどかすなよ。あとちんこをスケッチするな。

窓の外の景色を眺めていると向こうの山を持ち上げて動かす影が居た。
ホントにいたんだ、だいだら法師…と思ったら姉貴だった。
おどかすなよ。あと……
あれ?こいつちんこをどうもしないから姉貴じゃない!!
(ここでみんなゾッと鳥肌立ててキャー!)

姉貴とドライブ

姉貴の荒くれドライブに付き合わされて、
採石場みたいな広場で車がひっくり返りそうになるたびに助手席でギャーギャー叫んでたら、
姉貴が「これでも噛んで黙ってろ!」って
自分の口いっぱいに噛んでたガムを左手で取り出し僕の口にねじ込んだ。
半分味の無くなったおさがりのガムを泣きながらモグモグしてたら、
次の瞬間姉貴のパッソが岩に乗り上げひっくり返り、
天地が逆さまになると同時にハンドルとダッシュボードから
特大の風船ガムが飛び出した。

姉貴「よし!セーフ!」

セーフじゃねぇよ!!

センター試験

みんなでテレビ見てたら、
センター試験のニュースを見た姉貴が、
「懐かしいなぁ、久しぶりに受験してくるか。センター試験」
って玄関を飛び出し、原付をぶっ飛ばしてった。

2時間後、「叩き出された……」って青あざだらけで
原付をヨレヨレさせながら帰ってきた。
姉貴センター試験受けたこと無いだろ。
一芸入試っつって面接官の前で日本刀振り回して合格してたよな。

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