毎日フォーラム・ファイル:原発事故 難航する「指定廃棄物」最終処分場
2012年11月16日
横光氏から地元自治体との交渉を引き継いだ園田康博副環境相は10月17日、就任あいさつとして茨城県と栃木県の両知事を訪問した。地元側が求める白紙撤回については「現時点では考えていない」と述べたが、今後の対応については「候補地を提示した中で、誤解や行き違いがあったとは受け止めている。安全性を丁寧に説明したい」と話すにとどまった。
問題解決の方法はあるのか。島岡隆行・九州大教授(廃棄物工学)は「候補地が複数ある段階で事前に自治体や住民向けに説明したら各地で反対運動が起き、収拾がつかなくなるため、今のやり方はやむを得ない面もある。はじめは強い反対があるのを前提として、健康への影響や地価の下落など住民が何を不安に思っているのかアンケートなどを実施して徹底的に調べ、一つ一つ地道に解消していくしかない」と指摘する。