掲載日: 2008/2/5 掲載紙: 政府刊行物新聞 4面 内 容:
分権・自立という切り口で地域産業政策のあり方が実践的に著されている。旧北海道開発庁の事務官僚から釧路公立大学地域経済研究センターに所長として赴任し、地域政策の研究者に転任した著者が標茶町の建設関連産業の有志や町職員とともに産学連携のベンチャー企業「カムイ・エンジニアリング」を興した奮闘記でもある。
カムイ社は、町内で発生する間伐材と廃プラスチックを原料とする木質複合材「カムイウッド」を生産・販売している。
製品の開発、資金調達、販路拡大、地産地消など企業にともなう課題。「ゼロエミッション」の理念。縁故私募債「コミュニティ・エンジェル」発行に応えた地元住民からの一億円。地域金融の位置づけなど、実体験からの提言は説得力がある。
経済が失速し、格差が広がる中、タイムリーな地域自立を考えるために必読の書である。
発行日: 2008/2/1 掲載誌: 月刊 ガバナンス 2月号 通巻106号 p.133 内 容:
必死で産業創出に挑む、標茶町のベンチャー企業戦記!
日本の地域経済は、長く公共投資による建設業に支えられてきた。しかし、小泉構造改革はその構造を壊した。元に戻せという主張もあるが、本書が紹介する北海道標茶町のベンチャー企業「カムイ・エンジニアリング(株)」必死で自力での産業創出・雇用創出に挑戦している。
描かれるのは、かっこいいサクセスストーリーではない。次から次へと現れる。難題に挑み、続ける苦難の軌跡である。しかし、厳しくとも、そこには間違いなく「可能性」と「希望」がある。「これから大切なことは、地方の安定的な発展を支える民間力、産業力をしっかり育てていく知恵と政策を自前で作り上げていくことではないか」。現場からの切実な分権論である。
掲載日: 2008/1/7 掲載紙: 北海道新聞(夕刊) 内 容:
カムイ社の軌跡たどる 釧路公立大・小磯教授が出版
カムイエンジニアリングの設立からかかわり、経営陣の一人でもある釧路公立大地域経済研究センターの小磯修二教授が、同社の軌跡をたどった「地域自立の産業政策—地方発ベンチャー・カムイの挑戦」を、イマジン出版(東京都)から出版した。同教授は「成功の美談ではない、地方ベンチャーの実態と問題を記した」と話す。
掲載日: 2008/1/13 掲載紙: 北海道新聞 内 容:
釧路管内標茶町の経済人たちと釧路公立大地域経済研究センターによる産学連携で創設された、地方発ベンチャー企業であるカムイ・エンジニアリングの挑戦を通して、地域振興への指針を具体的に説き明かしている。著者は同社の取締役(非常勤)も務めている釧路公立大教授。
掲載日: 2007/12/11 掲載紙: 北海道建設新聞 内 容:
カムイ社の奮闘ぶり紹介
釧路公立大学地域経済研究センター長の小磯修二教授が標茶町の建設関係者と企業化した「カムイ・エンジニアリング」の奮闘物語を記した自治体議会政策学会叢(そう)書「地域自立の産業政策—地方発ベンチャー・カムイの挑戦」がこのほど、イマジン出版から発刊された。
1999年6月、旧北海道開発庁の事務官僚から地域政策の研究者に転進した小磯氏は、公共事業の削減で将来に大きな不安を抱える標茶町の建設関連産業とともに、2002年4月産学連携のベンチャー企業「カムイ・エンジニアリング」を興した。
カムイ社は、町内で発生する間伐材と廃プラスチックを原料とする木質複合材「カムイウッド」を生産・販売。小磯氏は地元関係者の熱意に心を動かされ、自ら出資者として経営に参画し、地域ゼロエミッションの理念を掲げながら、新しい産業創出に挑戦した。
同署は、07年5月に開かれた自治体議会政策学会の「第9期自治政策講座」で小磯氏が講演した内容を基に、カムイ社の取り組みを通して、地域の産業政策の在り方や地方分権について考えてほしいとの思いでまとめた。
「地域自立の産業政策」では、小磯氏が釧路公立大に新設された地域経済研究センターの初代所長として赴任した後、標茶町で建設関連業を営む有志や町職員と出会い、「しべちゃゼロエミッション研究会」を立ち上げた経緯から、本州先進地の視察、資金調達の苦労、販路拡大の努力、産消協働の取り組みなどをつづった。
この中で、小磯氏は新規起業の実体験から新産業創出の課題として、資金面を支える地域金融の役割が重要であると強調するとともに、カムイが縁故私募債を発行し、地元住民の「コミュニティ・エンジェル」から1億円の資金を調達したことなどを紹介している。
掲載日: 2007/12/01 掲載紙: 職員研修誌 地方議会人 12月号(38巻第7号)[発行:中央文化社]p.41
内 容:
自治分権に役立つ最新の行政システムをわかりやすく解説
本書で紹介するのは、大都市との経済格差が広がっていく地方において、必死で自力での産業創出、雇用創出に向けて挑戦しているベンチャー企業の物語です。
しかし、ここで紹介するのはかっこいい新規ベンチャー企業のサクセスストーリーではありません。それどころか、この取り組みはさまざまな壁にぶつかりながらの戦いの連続であり、その厳しい状況は現在も続いています。
筆者は官僚として北海道開発にたずさわり、転じて研究者として地域でベンチャー企業の立ち上げから主体的に係り、政府の政策や、地域自立に必要な政策を冷静に分析しております。産業の疲弊と、自治体財政の逼迫などに苦しむ地方にとって、今何が大切なことか、地方経済を興す力、地域の力を考えさせる書です。
これから、地域の皆さんが主体的・創造的に産業創出や運用創出を目指して、取り組んでいかれる上で、本書がその一助になることを願っています。
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