福島のニュース
福島の7町村長、色紙に一言 力量不足、対応遅れ指摘
政府の福島第1原発事故対応への評価を一言で表すと? 衆院選を前に、原発事故で全住民が避難している福島県の7町村の首長に聞き、色紙に書いてもらった。直筆の文字に込められたのは、事故から1年8カ月が過ぎても古里に戻れる日が見えない憤り、いら立ち、嘆きだった。 お粗末。責任者不在と突き放したのは井戸川克隆双葉町長。「われわれが求めたことに具体的に反応せず、ごみ置き場(中間貯蔵施設)を造らせてくれと言う。大臣も役人も次々に交代し、このままでは双葉町は消えてしまう」と語る。 馬場有浪江町長は無力と記した。「政府の危機管理能力のなさが緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の非公開や避難指示の遅れを招いた」と説明する。 早急に事故収束図れ!!とペンを走らせたのは松本幸英楢葉町長で、感嘆符を二つ重ねた。「国の全ての対応が遅い。命に関わる問題だ。強いて評価するなら原子力安全・保安院を解体して原子力規制庁をつくったこと」と述べる。 遠藤勝也富岡町長は有言不実行と書く。「中間貯蔵施設や賠償の問題が片付かないのは、民主党に官僚を使いこなす力量がなかったから。福島を置き去りに解散したことには不信と疑念しかない」と不満を漏らす。 渡辺利綱大熊町長は怒と一文字。「理由は発生後の初期対策。避難も含めて対応が悪い。今日に至るまでの情報公開や伝達の遅れ、賠償の取り組みが遅い」とコメントを寄せた。 松本允秀葛尾村長は五里霧中との印象を抱いた。「復興政策に具体性がない。帰村の際の放射線量の基準が示されていない。森林除染も進まない。予算もカネを付けただけで生きる使い方を示さない」とこぼす。 興と評したのは菅野典雄飯舘村長。復興に明け暮れたことと、興した(交代した)ばかりの政権を掛けた。「若い政権で柔軟性があった。本気で向き合えばきちんと応えてくれたが、政策は机上の数字の域を出なかった」と振り返る。
◎評価30〜65点「不能」の採点も
7首長には採点もしてもらった。井戸川双葉町長は採点不能と手厳しい。「零点ではないが、評価しようがない」と言う。馬場浪江町長は30点。「評価点は仮設住宅の設備改善。あとは全て駄目」とばっさり。 35点を付けたのは松本楢葉町長で「赤点」と素っ気ない。遠藤富岡町長、渡辺大熊町長、松本葛尾村長はいずれも40点だった。 菅野飯舘村長はただ一人、65点と比較的高評価。「本当は50点だが、政権交代してすぐ原発事故が起きたハンディを考慮してプラス15点」と話す。
2012年11月21日水曜日
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