学術論文の投稿には費用がかかる、という話。
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ちょっと古いページだが、次のページがある。
→ 学術出版という封建制
学術出版社はボロ儲けしている、という話。理由は:
・ 高額の査読料を投稿者から徴収する。掲載料も。
・ 購入する図書館には高額で販売する。
これを読んだあとで、「査読者の手数料が高額すぎるせいか?」と想像したが、ネットで「査読料」を検索すると、きわめて安いとわかる。査読者が受け取るのは1件 1000円などだ。無料のところもある。
では、巨額の差額は? たぶん学界のボスだろう。出版社からリベートが送られて、癒着しているわけだ。
しかし、それに反発する一般の研究者も多いはずだ。それで近年は、特定の出版社を拒否する動きが出ている。
→ 情報の値段:論文誌出版社を学者がボイコット
学者たちがこぞって独占的な出版社をボイコットする。こうして高額の料金請求を拒否するわけだ。……とはいえ、これは、外国の話。日本ではまだまだだろう。上記の記事は、2012-02-11 の掲載だから、まだ新しい話である。日本では改革は全然進んでいない。
ちょっと「査読料」で検索してみたが、たいていの学界は、料金が数万円程度だ。(査読料と掲載料の合計で。)
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さて。ここで話変わって。
トンデモマニアが私に向かって「学界に投稿しろ」と注文を付けている。しかし、上記の通り、掲載には多額の金がかかる。私が本サイトで書いているのは、あくまで余興であって、本業ではない。余興のために数万円を払うのは大変だ。
それでも、払うとしたら、どのくらいかかるか?
現時点で、このサイトに書いてある項目は 2975件だ。そのうち 3分の1を論文にするとしたら、1000件だ。1件5万円なら、5000万円が必要となる。
さらには、数学・物理学・生物学は、別サイトにもたくさんある。特に、経済学は「泉の波立ち」や nando ブログに、ものすごく大量にある。これらもざっと 1000件ぐらいか。いや、もっとか。
おおざっぱに見て、合計 2000件。1件5万円なら、1億円が必要となる。投稿のためだけに 1億円だ!
しかも、それだけではない。論文を書くとなったら、ものすごく時間がかかる。きちんとした論文の体裁にするには、滅茶苦茶に時間がかかる。2000件も書くとしたら、人生 10回分ぐらいの時間が必要だ。仮に生涯所得が 2億円だとしたら、人生 10回分で 20億円。その半額だとしても、10億円分の時間が必要となる。逆に言えば、10億円分の減収となる。
まとめ。
私が自分の書いたアイデアをすべて論文にした場合には:
支出額 : 1億円 (論文の掲載に必要)
減収額 : 10億円 (論文の執筆に必要な時間を所得に換算)
合 計 : 11億円
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11億円必要です。私に「論文を書け」と言っているトンデモマニアは、私に 11億円払ってくださいね。払いもしないで要求するのは、虫が良すぎる。
ま、どうせ払う気はないでしょうけど。
だったら私だって、本業でもない余興のために、11億円を出すはずがない。そんなに金持ちでも暇人でもない。
だいたい、ブログに文章を書くのは、私の人生の目的じゃない。順位ではかなり下の方になる。私のためというよりは、世間のために、ボランティアでやっているにすぎない。(知識の提供。たとえば Adblock の情報とか。)
私が自分のために時間を使うなら、女の子といちゃいちゃします。そっちの方がよほど楽しい。 (^^)v
ほとんど世間の目に触れない論文執筆のためなんかに、貴重な時間を費やす暇人はいないでしょう。(本業ならともかく余興では。)
※ 本業と余興の違いは何か? それで職を得るかどうかだ。
たとえば、生物学の論文を書いて、生物学の職を得るか。
その意味では、私は生物学の職を得るつもりは全然ない。
たとえ「あげる」と言われても、辞退します。まっぴら。
※ あと、生物学は、私の関心のなかでは順位が低い。
数学や物理学や経済学の方がずっと順位が上だ。
論文を書くとしたら、こっちが先になりますね。
また、生物学のなかでも、血縁淘汰説は順位が低い。
「生命とは何か」の方が、圧倒的に順位は高い。
[ 付記 ]
ま、世の中には、「学術論文を書くとはどういうことか」というのを知らないで、「学術論文を書け」と注文する人もいる。
そういう無知な人のために、本項ではも解説記事を書いている。ああ、私は本当に親切だなあ。特に、トンデモマニアに対して、親切だなあ。 (^^);
2012年11月23日
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