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人口減少 ニッポンの未来
【第5回】 2012年11月16日
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西川敦子 [フリーライター]

人口が減るのに街は失業者であふれる!?
「雇用貧乏国」ニッポンの厳しすぎる未来

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日本の人口は今、何人くらいか、君は知っているかな。2010年の国勢調査を見てみるとだいたい1億2806万人。でも、この人口はこれからどんどん減ってしまうんだって。

国立社会保障・人口問題研究所では、将来の人口について3つの見方で予測を立てている。このうち、「中位推計」――出生や死亡の見込みが中程度と仮定した場合の予測――を見てみると、2030年には1億1522万人、さらに2060年には8674万人となっている。これは、第二次世界大戦直後の人口とほぼ同じ規模だ。

どんどん人口が減り、縮んでいく日本の社会。いったい私たちの行く手には何が待ち受けているんだろう?

――この連載では、高齢になった未来の私たちのため、そしてこれからの時代を担うことになる子どもたちのために、日本の将来をいろいろな角度から考察していきます。子どものいる読者の方もそうでない方も、ぜひ一緒に考えてみてください。

ナノテクノロジービジネス推進協議会
事務局次長 馬田芳直先生の話

人口減少、少子高齢化で急上昇!
2025年、現役世代の負担は2割増へ

うまだ・よしなお
1975年、東レ入社。ナイロン糸の販売、原料購買部門を経て、東レ・ファインケミカルにて経営企画、経理担当。2001年から東レ経営研究所勤務。調査研究部門理事として、特許分析やイノベーションシステムなどの研究にも携わる。ナノテクノロジービジネス推進協議会事務局次長

 今までも見てきたように、これから先、日本の人口が減っていくと、いろいろと困った問題が起こるようになる。中でも心配されているのが「働く人が減ってしまうこと」だよ。

 中学校を卒業する15歳から、定年を迎える65歳までの人数を「生産年齢人口(せいさんねんれいじんこう)」と言うんだけど、今後はこの人口がどんどん減っていくとされている。15年後には今よりも12.7%も少なくなってしまう見込みだ。

 でも、本当に労働力は不足するんだろうか?

 じつは労働力は不足したりしない、という予測がある。それどころか人が余り、仕事にあぶれる人がどっと増える可能性が高いんだよ。いったいどういうことなのか、これから説明していこう。

 国立社会保障人口問題研究所の予測によると、13年後の2025年、日本の人口は今より6.2%減って、1億1927万人となる見込みだ。でも、さっきも説明したように、生産年齢人口はその倍減ると考えられている。人口に占める高齢者の割合が高くなる分、働ける現役世代の人口が少なくなるからだ。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


人口減少 ニッポンの未来

現在、約1億2800万人と言われる日本の人口。しかし、国立社会保障・人口問題研究所では、人口が2030年には1億1522万人、さらに2060年には8674万人になるとの予測が立てられている。どんどん人口が減り、縮んでいく日本の社会。いったい私たちの行く手には何が待ち受けているのか?この連載では、これからの時代を担う今の子どもたちに読み聞かせる形式を取りながら、日本の未来をいろんな角度から覗いていく。

「人口減少 ニッポンの未来」

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