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<韓国大統領選>安氏出馬辞退 既存政治家と一線

毎日新聞 11月23日(金)23時47分配信

 【ソウル澤田克己】12月の韓国大統領選で台風の目となっていた無所属の有力候補、安哲秀(アン・チョルス)氏の突然の出馬辞退には、「新しい政治」を実現するために身を引く決断を下すことで、権力闘争を繰り返す既存政治家とは違うとアピールする狙いがありそうだ。安氏は、大統領選後も政治活動を続けると宣言しており、そのための基盤作りを意識した可能性も高い。

 安氏の決断を有権者が実際にどう判断するかは未知数だ。だが、安氏は昨年10月のソウル市長選でも最有力候補に挙げられながら、支持率がはるかに低かった朴元淳(パク・ウォンスン)氏支持に回ってブームを巻き起こし、朴氏勝利につなげたことがある。

 最大野党・民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補はソウル市長選の再現を期待しており、ツイッターで「安候補と支持者の方々に申し訳ない」と謝意を表明した。文陣営関係者は「一本化交渉の難航で国民の間に不信感が高まっていたが、一気に解消されそうだ」と声を弾ませた。

 ただ、安氏支持者には、民主統合党を含めた既存政党への不信感が強い。保守的な考えを持ちながらも、既存政党へのアンチテーゼとして安氏を支持した人も少なくない。このため報道各社の世論調査では、安氏支持層の3〜4割は、野党候補が一本化されても文氏に投票しないとしていた。文氏にとっては安氏支持層のつなぎ留めが最大の課題となる。

 一方、与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)候補に近い国会議員は「現実政治の壁にぶつかり、どうしようもなくなったということだ。安氏は、自分のイメージが一番大事な人で、それが傷つかない方法を考えたのだろう」と切り捨てた。安氏は会見で「政権交代のために一兵卒として頑張る」と述べたが、この議員は「大統領選後にフリーハンドを維持するため、文氏とは一定の距離を置くのではないか」と見る。

 こうした見方の背景には、今月6日に文、安両氏が一本化に合意して以降、文氏の支持率が徐々に上昇していたことがある。交渉が行き詰まるたび、文氏が事態打開を図るためにと譲歩を重ねたことで、むしろ「自己犠牲をいとわない」と好感を持たれるようになっていた。逆に安氏の清新なイメージが薄まっていた。

 ソウル大の康元沢(カン・ウォンテク)教授(韓国政治)は「(統一候補を巡って)最後まで戦って敗れるより、今後の政治活動の基盤につながると考えたのだろう。安氏が譲歩する形での決着は、大統領選本番を戦う文氏にも有利に働きそうだ」と話している。

最終更新:11月24日(土)0時27分

毎日新聞

 

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