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2009年7月14日  麻生内閣不信任案賛成討論

 民主党・無所属クラブを代表して、賛成の立場で討論します。

 ただいまの自民党・細田幹事長の討論を聞いていて、私は議題がわからなくなりました。鳩山民主党内閣不信任案に対する賛成討論ではないですか、今のは。まさに、自民党の中で麻生さんの足を引っ張るさもしい動きも問題ですが、麻生さんを守るべき人たちの力の無さを強く感じた次第です。

 さて、まず始めに、一昨日、首都決戦・東京都議会議員選挙におきまして、私ども民主党はお蔭様で第1党に躍進させていただき、目標であった自公過半数割れを実現することができました。応援いただいた都民の皆様、有権者の皆様に心から感謝申し上げるとともに、これからが勝負であり、勝って兜の緒を締めて次なる戦いに挑んでいきたいと思います。

 さて、今回の都議会議員選挙は、もちろん都政の問題、新銀行東京の問題、あるいは築地市場移転問題、いろいろな争点はありました。しかし、総選挙直前の都議選であって、間違いなく有権者は麻生内閣不信任、自公政権不信任の意思表示を明確に表したと確信しています。すなわち、この度示された民意は、早く民意を問え、信を問えということだと思います。だから解散を決めたという声がありますが、7月21日の週に解散して8月30日投票日。我々の任期は9月の初めまでです。8月30日投票は任期満了選挙と同じではありませんか。直ちに信を問うべきだと思います。

 そして、この都議選だけではなくて、先ほど鳩山代表が言われたとおり、私ども民主党推薦候補に社民党、国民新党のご支援もいただき、さいたまが勝ちました。千葉が勝ちました。静岡県が勝ちました。東京都が大きく変わりました。奈良が変わりました。日本が今度は変わるべきです。そのためにも、改めて早期の解散総選挙をお訴えしたいと思います。

 今回は麻生内閣に対するご批判だけではなくて、思い返していただきたいのですが、昨年秋の自民党総裁選挙では5名の方が立候補され、麻生太郎氏が圧勝でした。その理由は選挙目当て、選挙の顔は麻生さんしかいない、そういう声が圧倒的に多かったからです。ところが、10ヶ月も経たない内に、麻生さんでは勝てないからといって麻生降ろしが顕在化する。署名集めをする。あるいは総・総分離をしようとする。あるいは外部の雑誌に論文を発表する。この矜持を失った浅ましい自民党の姿こそ、国民が見放しているのです。

 また、本議案は単なる麻生内閣不信任決議案に止まらず、少なくとも4年前の郵政選挙以来、3分の2を占めるに至った与党の、これまでやってきた行状に対する不信任だと思っています。思い返していただきたい。4年前の争点は郵政民営化、是か否かでした。ワン・ポイント・イッシューで決まりでした。でも、その郵政改革を訴えた当時の小泉元総理の発言を思い出しています。特定郵便局の局長は特別職の国家公務員、国家公務員が世襲をするのはおかしいと言っていました。ところが、今度はご勇退をされるにあたって、ご子息が世襲をされるということです。しかも、小泉家にとっては確か四世です。ルパンだって三世までです。やっぱりおかしい。郵政改革はいったい何だったのかと思わざるをえません。

郵政民営化マルかバツかの用紙の下にはカーボン・コピーが敷かれていて、そこには後期高齢者医療制度マルかバツかをつける仕組みがありました。その下には、障害者自立支援法マルかバツかというカーボンが敷かれていて、そこにマルがつけられる仕組みがありました。結局何が起こったのか。3分の2を得た与党は、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法、強行採決を連発しました。そして、骨太の方針2006によって社会保障費を削減し、医療崩壊と福祉の後退をもたらしました。内閣不信任と関係ないと言っていますが、これが麻生内閣に至るまでの不信任の淵源なのです。

小泉内閣の後に生まれた安倍内閣においては、参議院選挙の直前に消えた年金5千万件の問題が明らかになりました。最後の1円まで、最後の1人まで1年以内に解決すると言っていました。いまだに解決できていない状況ではありませんか。90歳を過ぎて年金記録が明らかになって、2千万円、3千万円、本当は年金がもらえることがわかった。でも、その方は今病床に臥している。にもかかわらず、すぐにお金を支給するのではなく、1年精査させろと言っている。こういう涙のない政治にこそ不信任が突きつけられるべきです。結局、年金は人生いろいろと言いましたが、ボロボロでした。百年安心の年金は絵に描いた餅でした。

その後に生まれた福田内閣の冒頭の、あの太田経済財政担当大臣の経済財政演説は、昨年の演説で一番記憶に残っています。冒頭におっしゃいました。もはや日本経済は一流ではないと。時の経済閣僚が、長い間経済財政諮問会議にいた人が、経済は一流ではないと言った。それまでのお金の使い方を間違えてきたことを、自ら認めるのと同じではありませんか。

この資源配分の誤りは、福田内閣のあの道路問題の対応で如実に現れました。道路特定財源の一般財源化、これは名ばかり。暫定税率は34年も増税が続く暫定、これは国民は納得できません。我々は戦って、その撤廃に努めましたが、数の力によって復活させられてしまいました。結局、一般財源化は名ばかり。そして、最近に至っては、あのB/Cで分析して凍結したはずの国道の建設も次々と復活しています。道路イズ政治、政治イズ道路という自民党の政治の本質は全く変わっていません。道路のネットワークを整備した上で、その先に救急に対応できる医療機関がない、ドクターもいない、こちらの方が今問題なのです。政策の優先順位を間違え続けてきた自公政権にこそノーという意思表示をしなければなりません。

さて、今までは淵源について辿ってきましたが、麻生内閣そのものについての不信任の理由を申し上げさせていただきたいと思います。まず、その第一は、昨年の秋から、麻生内閣でもう既に4本の予算が成立しました。4本です。でも、一向に日本は良くならない。国民の生活は良くならない。結果がでないという責任は極めて大きいと思います。与謝野大臣が、あの昨年秋のリーマン・ショックの後に、世界経済に対する影響は甚大であろうという予想の中で、日本は蜂に刺された程度と言いました。この問題認識能力の無さが問題解決を誤らせていると思わざるをえません。

しかも、景気対策、経済対策とは名ばかりで、実態はバラマキの選挙対策です。天下の愚策、あの定額給付金、あるいはアニメの殿堂、そんなバラマキを続けていて日本が良くなるはずがありません。バケツの水をざるに流し込むようなもったいないお金の使い方を何回やったって日本は良くなりません。まさに、このことに気づかなければならないと思います。しかも、その財源は借金です。借金は要は子どもたちのポケットの中に手を突っ込んで、そのお金を借りて事業をやっている。この借金がかさんだ亡国の予算を作り続けてきた責任は、まさに不信任に値すると思います。

もう一つは、官僚政治をコントロールする能力と気概がないということです。昨年の通常国会で、与野党が修正して国家公務員制度改革の基本法をつくったはずです。しかし、その基本法の精神はどんどんと後退し、逸脱し、そして今国会の法案提出となりました。中身は明らかに後退しています。加えて、一番国民が問題にしている天下りや渡りを実効性ある方法で無くしていこうという熱意が全くありません。私どもの調査によって、今年の5月に、平成19年度のお金の使い方でわかったことがあります。2万5千人の国家公務員OBが4千5百の法人に天下りし、その法人に12兆1千億円の血税が流れていることがわかりました。その前の年には12兆6千億円の血税が流れていることがわかりました。消費税5%分のお金です。先の首都決戦の東京都政の予算は一般会計・特別会計合わせて12兆8千億円でした。これだけの税金に、一言で言えばシロアリが群がっている構図があるのです。そのシロアリを退治して働きアリの政治を実現しなければならないのです。残念ながら自民党・公明党政権には、この意欲が全くないと言わざるをえません。

渡りも同様です。年金が消えたり、消されたりする組織のトップである社会保険庁長官は、辞めれば多額の退職金をもらえます。6千万円、7千万円かもしれません。その後には、また特殊法人や独立行政法人が用意されて天下りすることができる。そこでまた、高い給料、高い退職金がもらえる。一定期間後もまた、高い給料、高い退職金がもらえる。6回渡り歩いて、退職金だけで3億円超えた人もいました。まさに、天下りを無くし、渡りを無くしていくという国民の声に全く応えない麻生政権は不信任に値します。

さらに、もう一つ言わなければならないのは、残念ながらわが国は格差が拡大し、そして固定化してきました。私は昨年10月5日、遺児と母親の全国大会に出席させていただきました。各党の代表者が出席されていました。遺児とは遺された子どもという意味です。交通遺児、災害遺児、自死遺児、こうしたお子さんたちの悲鳴を聞きました。お母さんが朝も働く、昼も働く、夜も働く、でも生活するので手一杯、子どもの教育に手がまわらない。子どもたちは進学を諦めざるをえない。学校を辞めざるをえないという窮状でした。何と17年ぶりの全国大会です。それだけ限界にきているということでした。先ほど政治家の世襲について言及しましたが、もっと問題なのは、わが国では貧困の世襲が今起こっているということです。そこに自公政権は何らかの手当てをしましたか。母子加算は参議院では成立したけれども、衆議院では復活法案を出しても自民党も公明党も相手にしないではないですか。お母さんと子どもの笑顔が広がる国は幸せな国です。それを阻む政権は、それだけでも十分に不信任に値すると思います。

すなわち、私が申し上げたいのは、麻生内閣につながる小泉内閣、安倍内閣、福田内閣、そして今回の麻生内閣、それに連なる自公政権そのものに内閣不信任案を私たちは突きつけているわけです。税金の私物化をずっと許してきた自公政権に対する不信任、格差の拡大を放置してきた自公政権に対する不信任、医療や福祉をボロボロにしてきた自公政権に対する不信任、それを後ろで糸を操っている官僚政治に対する不信任、そして今、さんざん様々な大きな野次を浴びましたが、この4年間、3分の2を握って、もう目の前は佃煮にしたいくらい与党議員だらけだけれど、その勝手放題に対する不信任なのです。

以上、麻生内閣に対する不信任案について賛成討論をさせていただきました。改めまして、麻生総理におきましては速やかに解散総選挙、そして議場におかれましては多くの同僚議員のご賛同をお願い申し上げ、討論を終わります。

以上

                                 野田佳彦

 

 

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