磐越西線、新駅 郡山市・旧県農業試験場跡地 有力に
JR磐越西線の郡山駅-喜久田駅間で郡山市や県、JR東日本が設置を検討していた新駅の場所は、郡山市富田町の県農業試験場跡地(県有地)となることが有力となった。市は22日、市議会各会派会長会に方針を示した。市は12月中にJR東日本と駅舎や周辺施設の基本設計の協定を結ぶ予定で、住民待望の新駅構想が大きく前進する。
市の方針によると、新駅候補地は郡山駅から北西に約3・5キロの地点。西に内環状線が走り、市中心部へのアクセスが便利で、北には新興住宅が並ぶ。東に奥羽大や同大歯学部付属病院、総合南東北病院、北東に郡山北工高があり、通勤・通学・通院の利用が見込まれる。同跡地の南側には、富岡町や川内村の避難者が住む富田町若宮前仮設住宅がある。市は県農業試験場跡地について県と取得方法などを協議する。
市の設置案では、6両編成の列車が止まれるホームを備えた駅を検討している。待合室を備えた駅舎、広場、駐輪場なども盛り込んでいる。市は駅舎などの設計を進め、JR東日本と覚書を交わして工事に着手する見通し。市が駅の設計費や工事費を負担し、JR東日本は完成後の駅の管理運営を担う。
候補地周辺の同市富田町の主婦渡辺陽子さん(57)は「駅へのバスが少なく、タクシーの利用が多いので助かる」と喜んだ。同市富田町の新函館ラーメンきららの店主板谷馨さん(56)は「新駅で街が活気づいてほしい」と夢を膨らませた。
JR磐越西線の郡山駅-喜久田駅間は距離が7・9キロ。昭和61年度の交通実態調査以来、新駅の必要性が指摘されていた。
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