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【東京】「街角情報ステーション」 新宿で運用実験中 災害時、衛星使い通信
災害時に地上の通信インフラが麻痺(まひ)しても衛星通信を通してメールや電話を利用できる情報端末「街角情報ステーション」が開発され、運用実験が新宿駅西口で行われている。普段から役立ててもらおうと、飲食店や天気予報など周辺の情報提供に加え、携帯電話を充電できる仕組み。実験は三十日まで。 (末松茂永) 阪神大震災や東日本大震災を踏まえ、情報通信の最先端研究を目指す「YRPユビキタス・ネットワーキング研究所」(品川区)が開発し、情報サービス提供会社「ユーシーテクノロジ」(品川区)が製品化した。 この端末は、太陽発電と蓄電池で電力を確保する。公衆無線LANサービス「Wi−Fi(ワイファイ)」でスマートフォン(多機能携帯電話)やパソコンとつながり、メールや電話機能を使える。半径十メートルで五十〜百人程度が同時に接続でき、充電は大半の機種に対応する。 情報提供する画面はタッチパネル式で、災害時には被災状況や避難場所を調べられる。普段は飲食店や観光情報を提供する。 運転免許証やSuica(スイカ)などのICカードを使った家族安否の確認もできる。カードを端末にタッチして「無事」「軽傷」「重傷」から健康状態を選び、既に端末を利用した家族の安否を知ることができる。ただ、ICカード安否確認サービスは事前登録が必要で、端末が広域に設置されていることが大前提になる。 実用化に向け、開発した研究所所長の坂村健東大教授は「官民協働で三年をめどに三千台は都内に設置したい。そうなれば設置費も数十万円に抑えられる」と話す。 運用実験の場所は新宿駅西口・小田急ハルク前の歩道橋。スタッフが買い物客らに実験目的や使い方を教え、端末改善のアンケートを実施している。 PR情報
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