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<信金立てこもり>「内閣退陣、32歳に訂正」謎深まる言動

毎日新聞 11月23日(金)21時19分配信

<信金立てこもり>「内閣退陣、32歳に訂正」謎深まる言動
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容疑者が逮捕され、人質が無事に保護された豊川信用金庫蔵子支店=愛知県豊川市蔵子で2012年11月23日午前4時17分、兵藤公治撮影

 豊川信用金庫蔵子(ぞうし)支店(愛知県豊川市)の立てこもり事件は23日未明、店内に突入した特殊捜査班「SIT」隊員が長久保浩二容疑者(32)を逮捕、人質4人も無事保護し、発生から約13時間ぶりに決着した。一方、職員らを盾に「内閣退陣」などの不可解な主張を繰り返しながら、県警との間で巧妙な駆け引きを続ける冷静な面も見せた長久保容疑者の言動を巡っては、謎が深まるばかりだ。

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 「野田内閣は退陣しろ」

 22日午後、長久保容疑者は支店内に入ると、目の前にいた女性客(48)を羽交い締めにし、そう叫んだという。さらに「シャッターを閉めろ」「支店次長を残して男はすべて外に出ろ」と支店職員に次々命令を出し、すばやく籠城(ろうじょう)態勢を敷くと、その後は人質にした加藤賢吾・支店次長(41)を介して県警との交渉を続けた。

 県警によると、長久保容疑者は交渉中、名前や目的を明かさず「(自分の呼び方を)『犯人』と言ってくれ」と要求。支店内ではテレビのニュースに目を凝らし、自分を「50歳前後の男」と報道されると、「32歳なので訂正してくれ」と電話してきた。

 人質に対しては、19歳の女性職員の両手をひもで縛った上、自分の左腕につけたひもとつないだり、加藤次長を下着姿にさせたりして、自由な動きを封じた。支店1階出入り口には、机などを置いてバリケードを築いていたという。10人分の食料なども要求し、「長期戦」を想定していたとみられる。

 県警は、支店突入の準備を長久保容疑者に悟られないようにするため、報道各社に対し、容疑者確保まではライブ中継やインターネットへの写真の掲載を自粛するよう要請した。一方、長久保容疑者は支店周囲の監視用に投光器の設置を要求。県警に対して「用意できなければ火をたくぞ」とすごみ、実際に支店前に燃える紙類の入ったかごを放置し、設置を渋る県警を揺さぶってみせた。

 こうした行動のさなかも、金銭は一切要求せず、地元報道機関に加藤次長とみられる男性を介してかけた電話で「野田首相に午後9時までに記者会見をさせろ」などと訴えた長久保容疑者。23日未明、ソファでうたた寝する一瞬のすきを突かれて逮捕され、こうつぶやいたという。

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最終更新:11月24日(土)0時4分

毎日新聞

 

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