刺傷は自作自演 駿府城公園事件で静岡市職員

(2012/11/21 07:42)

 静岡市葵区の駿府城公園で10月中旬、市職員の男性(43)が何者かに刃物で刺されたとして静岡中央署が殺人未遂容疑で捜査していた事件について、同署は20日、通報した男性の自作自演だったと断定した。同署は21日にも、軽犯罪法違反の疑いで男性を静岡地検に書類送致する。
 同署によると、男性は10月12日午後11時50分ごろ、同公園内で自分の腹部などを果物ナイフ(刃渡り約9センチ)で刺した後、被害に遭ったように110番した疑いが持たれている。男性は同署の任意の聴取に対し、「公私ともに悩みがあり、ストレスを感じてやった。大ごとになるとは思わなかった」などと話しているという。
 男性は「(公園内で)自傷行為をしているうちに想像以上に血が出て、警察に助けを求めるために通報した」などとも話しているという。同署は、男性に警察業務を妨害する意図はなく、刺された事実をつくるのが目的だったとみている。
 男性が倒れていた付近の内堀で見つかった果物ナイフについては、事件の数日前に自傷行為に使うために購入してカバンに携帯し、刺した後に投げ捨てたと認めたという。
 同署は殺人未遂容疑で捜査していたが、犯人につながる情報がなく、男性の話にも矛盾点があることなどから詳しく事情を聴いていた。

静岡市が陳謝 「原因思い当たらず」
 静岡中央署の発表を受け静岡市は20日、職員の上司の伏見公男企画課長と、赤堀文宣人事課長が静岡市役所静岡庁舎で記者会見し、陳謝した。田辺信宏市長は「市民に迷惑を掛けてお騒がせし、大変遺憾に思っている」とのコメントを出した。
 職員について伏見企画課長は「明るく優秀な職員。(原因は)思い当たらない」と説明した。本人が悩みやストレスに言及している点については「表面上は感じられなかった。精査したい」と話した。事件発生後は治療入院し自宅療養を経て出勤していたが、気分が優れないと休む時もあったという。今後は事実を確認し、適正に対処する方針を示した。駿府城公園への防犯カメラ設置方針は現時点、変えないという。
 この職員は市の新規事業などを担当する企画課に4月に異動した。同市で初開催した将棋名人戦に携わり、その後は市長肝いりのプロ野球誘致事業を担当している。

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