ブロードバンド元年、ITルネッサンスを高らかにうたう「情報通信白書」公開

      [2001/07/10]

    総務省は、「情報通信白書」の平成13年度版を発表した。同省のWebサイトでHTML版・PDF版がそれぞれ公開されている。第1章の特集のテーマを「加速するIT革命~ブロードバンドがもたらすITルネッサンス~」と題し、ブロードバンドの現状や政府の取り組み、今後の課題などが記述されている。

    情報通信白書によれば、平成12年末時点の、日本のインターネット利用者数(15歳以上79歳以下)は4,708万人(推計値)となり、平成11年末段階と比べ74%の増加だという。この数は、平成17年(西暦2005年)には8,720万人まで増加すると推定する。平成12年末でのインターネット利用者のうち、PCによる利用者は3,723万人、成長著しい携帯電話・PHSからの利用者数は2,364万人となっている(重複含む)。

    インターネット利用者の半数以上(55%)は、いずれかの端末から「ほぼ毎日」インターネットを利用している(2,593万人)。自宅からの利用者が最も多く(3,066万人・82.4%)、自宅からの利用者のうちの50.2%がアナログ回線、34%がISDN接続、7.4%がISDNによる常時接続となっている。実に91.6%がナローバンドを利用しており、ブロードバンド普及が遅れている現状が浮き彫りになった。

    しかし白書では、本年を「ブロードバンド元年」と位置付ける。その根拠として、まずxDSLの急激な拡大を挙げる。xDSLは、平成12年末頃からの普及が加速し、平成12年12月で9,723加入、平成13年3月には70,655加入、同年4月には112,182加入というように、爆発的に普及した。また、CATV事業者によるケーブルインターネットについても、平成11年から12年の1年間で4倍強の62.5万加入を達成、13年3月末には78.4万加入にも達した。

    さらに、有線ブロードネットワークスが13年3月から、東西NTTが7月(予定)より提供するFTTHサービスと、NTTドコモが5月より試験サービス(10月から本格サービス)を提供するIMT-2000の例を挙げ、ブロードバンド元年というべき状況にあると結論づける。

    ブロードバンドの今後の普及については、xDSLは平成15年(2003年)には843万加入に到達、平成15年以降には、いよいよアクセス回線の主役が光ファイバ(FTTH)に移行、平成17年(2005年)の段階でFTTHが904万加入、xDSLが749万加入になると予測する。その結果、FTTH、xDSL、ケーブルインターネット、FWA(Fixed Wireless Access:加入者系無線アクセス)というブロードバンドの利用者は2,494万加入に上るという試算をはじき出す。

    また、定額料金サービスの普及や、白物家電・携帯電話などに代表される接続端末の多様化、IPv6への取り組みといった現状報告がなされ、「ITが先導する経済新生」の節においては、ITが経済に与える影響やeコマースなどについてが記述されている。そのほか、電子政府、デジタルデバイドやセキュリティ、情報リテラシーに関する問題など、非常に幅広い範囲に言及がなされている。

    今後の政府としての取り組みについては、「2005年までに、1,000万世帯が超高速インターネットに、また3,000万世帯が高速インターネットに低廉な料金でアクセスを実現」という「e-Japan重点計画」の実現に向け、1)インターネット網の整備、2)放送のデジタル化、3)通信と放送の融合に対応した制度の整備、4)地理的情報格差の是正等、といった施策を推進していくことを述べる。

    第2章・第3章には「情報通信の現況」「情報通信政策の動向」といった内容が盛り込まれており、PDF版で26ページにも上る。内容的には興味深い部分が多く、非常に読み応えのあるものとなっている。

    情報通信白書
    http://www.home.soumu.go.jp/hakusyo/tsushin/index.html

    総務省
    http://www.soumu.go.jp/

    新着記事

    特設サイトの情報

      求人情報

      人気記事

      一覧

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      転職ノウハウ

      あなたの仕事適性診断

      4つの診断で、自分の適性を見つめなおそう!

      Heroes File ~挑戦者たち~

      働くこと・挑戦し続けることへの思いを綴ったインタビュー

      はじめての転職診断

      あなたにピッタリのアドバイスを読むことができます。

      転職Q&A

      転職に必要な情報が収集できます

      スカウト転職する

      企業からアプローチのメッセージが届きます。

      スキルアップ・キャリアアップ