低排出ガス車のレベルを認定するラベル
規制が強化されるなか、自動車の排ガス低減性能に関する関心と理解を深めることを目的に、2000年4月に「低排出ガス車認定制度」が創設された。2000年に制定した「平成12年(2000年)規制」に対応した低排出ガス車に「低排出ガス車認定」ラベル(以下、低排出ラベル)を表示する制度だ。
「平成12年(2000年)規制」の排出ガス規制値を基準に
①有害物質を25%以上低減した自動車に「良」と「☆」1つ
②有害物質を50%以上低減した自動車に「優」と「☆」2つ
③有害物質を75%以上低減した自動車に「超」と「☆」3つ
の3段階に分けて低減レベルを示す3種類の低排出ラベルが設けられた。
「平成12年(2000年)排出ガス規制」に対応した低排出ガス車であると認定を受けた自動車に表示される低排出ラベル。低減した値が大きくなると「☆」の数が増える
さらに2003年10月、「平成17年規制(新長期規制)」の排出ガス規制値を基準に
①有害物質を50%以上低減した自動車に「☆」3つ
②有害物質を75%以上低減した自動車に「☆」4つ
を表示する2種類のラベルが新たに設けられた。
「平成17年(2005年)排出ガス規制」に対応した低排出ガス車の認定を受けた自動車に表示される低排出ラベル。低減した値が大きくなると「☆」の数が増えるが、「良」「優」「超」の文字は、表示されなくなった。「☆」の数が3つ以上になっているのは、前述の「平成12年(2000年)規制」より優れた性能であることを示すため。なお現在、新車に旧ラベルが貼られることはない
これらの低排出ラベルの星の数だけでは、低排出ガス認定レベルの差を実感するのは難しいかもしれない。しかし、乗用車の低排出ガス認定レベルを比較した図を見てみると、2000年基準の25%減と2005年基準の75%減の差が大きいことがよく分かるだろう。
乗用車の低排出ガス車認定レベル(国土交通省資料より引用)
注:各値は、2005年排出ガス基準に係る試験モードで換算等を行っている。
しかも、社団法人日本自動車工業会(以下、自工会)のデータによれば、このような厳しい低排出ガス基準にもかかわらず、新車に占める低排出ガス認定車は2006年度では95%を占めている。そのうち9割以上が平成17年度(2005年)基準の50%、および75%以上低減した自動車として認定されているという。改めて国内の自動車メーカーの技術力の高さを実感させられる。
新車に占める低排出ガス車の台数(2007年11月、社団法人日本自動車工業会発行『環境レポート2007』より引用)
注:低排出ガス車認定実施要領に基づく低排出ガス認定車
H17☆☆☆☆:平成17年基準排出ガス75%低減レベル
H17☆☆☆:平成17年基準排出ガス50%低減レベル
H12☆☆☆:平成12年基準排出ガス75%低減レベル
H12☆☆:平成12年基準排出ガス50%低減レベル
H12☆:平成12年基準排出ガス25%低減レベル
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