測定キャラバンおひさまについて

原発事故後、福島県にはホールボディーカウンターが数十台送られて、無料で測定できるようになりました。でも、その数値を教えてくれません。ただ、「問題ないです」と言われるだけです。基準値を事故前の20倍の20msv/年に引き上げているので、全く信用できないです。なんのための測定?って感じです。また、福島以外では無料で内部被ばくの測定はできません。病院にホールボディーカウンターがあれば検査できますが、一回あたり1万5千円かかります。 


でも、原発事故で日本中が被曝しているわけだから、日本人は全員、内部被ばくの検査を受ける権利があるはずです。そして、健康診断と同じようにその値を教えてもらい、病気の予防に役立てるべきです。 

 

行政がやらないなら、自分たちでやろう!ということで、このプロジェクトをスタートさせます。関心のある方はぜひ参加してください。よろしくお願いします。

 

このプロジェクトで予定している機器について説明します。


形としては空港においている金属感知器みたいなタイプです。もともとは放射線作業従事者が外に放射性物質を持ち出さないためのスクリーニング装置です。ただし、精度が福島県で一般的に使われている機械よりいいということで、ホールボディーカウンターとしての利用も可能です。

この装置の下に10秒いたら contamination(汚染)、no contamination(非汚染)の表示が出ます。非汚染の場合でも、頭、右上半身、左上半身、右下半身、左下半身の5つの部分の詳細データを確認することができます。


理論的には1ベクレルからでも測ることができます。でも、300ベクレル以下の少ない放射能に関しては測定誤差が大きく、その値は信用出来ないということです。信頼出来るの300ベクレル以上です。1000ベクレル以上なら、わずかな測定時間で相当正確な測定ができます。


と、聞くと「1000ベクレルって相当高い値だから、東京でそんなに内部被ばくしてる人いないよ。だから、意味ないね」と思うかもしれません。でも、そんなことないです。もし、0ベクレルと結果が出たら、その人の体から一本も放射線が出ていないと考えてかまいません。300ベクレル以下の数字が出たら、その値は正確ではないけど何か放射線が出ていると考えることができます。


福島県に納入されているホールボディーカウンターには検出限界値があって、それ以下だと一律「ND」になります。だから、0かも知れないし百数十ベクレルかもしれません。あるかないか分かるってことは重要だと思います。


微量な放射線が出た場合には、測定センサーに体を当てて60秒間計測します。こうすると、もっと精度が上がるようです。

追記

 

原理からいうと、この機械によって表面汚染と内部被ばくを合わせたものを検出することができます。ただし、放射性物質が一部の臓器に溜まっているような場合だと、皮膚や筋肉を通過した放射線を検知することになるので、そのエネルギーが減衰しています。そこで、どの程度正確に測定できるのか、実験しながら検証しているところです。

 

この機械を使うと短時間での計測が可能ですが、体のどの部位にどんな核種が溜まっているのか分かりません。この機械でスクリーニングして、高レベルの被ばくしていると思われる人には、より精細な検査を勧めます。その検査方法も現在検討しています。