大阪府の橋下徹知事は29日、「校庭の芝生化を進める」として、個人や企業から資金を募ろうとした団体に活動中止を求めたことを明らかにした。奥下剛光私設秘書と後援会関係者が設立にかかわっており、「担当課が承諾している」と事実と異なる報告を受けていたという。広告塔だった橋下知事は報道陣に「奥下秘書には厳重注意した。最後は僕の管理責任。軽率だった」と陳謝した。
府によると、この団体は「グリンク実行委員会」。橋下知事が意欲を示す小中学校の校庭の芝生化を支援するためとして寄付や協賛金を募り、府の「みどりの基金」に寄付するとして設立準備が進んでいた。後援会関係者によると、今月19日に準備室を設立。橋下知事は同日あった自らの政治資金パーティー後、「僕が応援という形をとっている」と報道陣に宣伝していた。団体のホームページにも橋下知事の写真が載った。
ただ、府は事前の交渉で、寄付金が団体を経由して基金に入る仕組みになっているため、透明性に問題があるとして、橋下知事や府の名前を使うことを認めていなかった。府は29日、橋下知事や府が承認しているかのように府民に誤解を与えないよう文書で団体に要請。橋下知事は「活動前だったので、お金は集まっていないと聞いている」と話した。