さて、「HEAVEN 文化祭 2012」 、7番目のブースです。
出展いただいたのは、東京都大田区にて造形作家&インド楽器奏者をしていらっしゃいます川崎ピースケさん。
楽器製作ブログ 「サーランピー」 の運営も行っていらっしゃる川崎ピースケさんが、昨日完成したばかりだというオリジナル弦楽器『ドドバシキメラ』での応募です。その音色は、どうぞ こちら でお確かめください。
ーー【作品概要】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ドドバシキメラ』
ドドバシキメラは2012年頃に誕生し2012年頃に絶滅した日本の民族楽器です。
インドの弓奏楽器サーランギーと、ブラジル土産の剥製アルマジロ。
日本の古道具屋で埃をかぶって眠るこの二者の怨念が、
東京大田区は呑川のほとり、道道橋(どどばし)にて化ヶ学融合し、
奇怪なキメラ楽器となって現世に黄泉帰った姿といわれています。
自らの腸を口から垂らしてガット弦とし、
弓で擦って演奏を試みるアルマジロでしたが、
サーランギー由来の鉄の共鳴弦に狭く閉じ込められた構造によって、
弓の自由な取り回しを阻まれてしまっています。
演奏者が弓を近づけても、檻の外からではアルマジロの腸弦までは届きません。
つまり過剰進化が仇となって、
“弓奏楽器でありながら弦を弓で擦れなくなってしまった” のです。
そうして互いに不本意なジレンマを抱いてのち、
誰も弾けない謎の竪琴に落ち着かざるを得なくなったと考えられています。
アルマジロとサーランギーのさらなる不遇の憤りを鎮めるために、
背面最上部にはプチ稲荷神社が建立されています。
内部に祀られたドドバシ様の頭上の烏帽子は、取り外すと、
弦を急いで巻く時に便利なハンドルに早変わりします。
参考文献「道道橋の怪物 ~探訪・ドドバシキメラゆかりの里~ 」 大田区立郷土捏造館 (2062年刊)
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…という、いかにも民族学博物館の資料のように装った、全くの新作です。
正面に貼られた「道道橋畸冥羅」の護符も当方で適当に捏造しました。
ボディの杉材には古色を演出するために食用の醤油(遺伝子組み換えでない)を染み込ませています。
アルマジロの屍体については本作にむけて殺めたものではなく、
貰い手に恵まれない古い剥製を譲り受け、弔いの気持ちで転用しています。
動物愛護の方の苦情は覚悟の上でございます。
なお、宗教じみたテイストですが当方まったく無所属ですのでご安心ください。
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という「民明書房」を彷彿させるような抱腹絶倒な解説は、川崎ピースケさんからのメールより。
道道橋ということは、仲池ですね。最近では「下町ロケット」の舞台になった街とはいえ、実質は久が原、上池台に挟まれた高級住宅街。お住まいとしてうらやましい限りです。そういえば、昨今の寒さがちょうど昔のお会式の頃合いでしたよね。Tシャツ1枚で見に行くお会式。なんだか未だにそぐわなくって 。
最高!断トツでいいね!
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