国際結婚家庭の子ども、4年で11万人増

言語教育や差別が問題に

 文化や歴史による差別に苦しむ子どももいる。ソウル市に暮らす日本出身の母親を持つ少女(14)は、独島(日本名:竹島)がニュースで話題になるたびに友人たちから「母さんはチョッパリ(日本人に対する蔑称)でしょう? 自分の国に帰れ」などといじめられた。少女はそんなとき、トイレで一人泣いたという。

 女性家族部所属の多文化家族支援センターで理事長を務める東亜大学の李学春(イ・ハクチュン)教授は「多文化家庭は今後も増え続ける。今の状態が続けば社会的葛藤を招く可能性が高い」と警鐘を鳴らしている。

 多文化家庭に対する韓国社会の意識をまず変えるべきとの意見もある。モンゴル出身の母親を持つ少年(6)は、同国の伝統に倣い髪を肩までのばして幼稚園に通ったところ、友人たちにからかわれた。韓国の伝統を大切にする在外韓国人を誇りに思う一方で、反対の場合は受け入れないという社会の雰囲気が問題と指摘される。ソウル・オンドゥリム多文化家族教育センターのイ・ヒョンジョン・センター長は「多文化家庭の子どもたちと最初に接する教師さえ、十分に理解できないことが多い。多文化に対する理解を教員資格試験の科目に組み込むべきだ」と提案した。

 多文化家庭の青少年による犯罪が社会問題になることもある。今年3月、ロシア出身の母親を持つ少年(17)がソウル市広津区の住宅駐車場で段ボールに火を付け建物の外壁を燃やすなど、1日に3回の放火事件を起こした。警察は、少年が小学生のときから韓国人と違う外見のせいでいじめを受けていたことが、放火の動機になったとみている。

キム・ヨンジュ記者
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