国際結婚家庭の子ども、4年で11万人増

言語教育や差別が問題に

 仁川市に暮らす小学4年生の少年(10)は、韓国人の母親とパキスタン出身の父親の間に生まれた。父親が韓国国籍を取得し、名字が「キム」に変わった。少年は先月、肌が黒いせいでクラスメートから「君の父さんは肌が黒いのにどうして韓国に来たの」などとからかわれ、涙を流した。

 フィリピン出身の母親と韓国人の父親を持つ大邱市の小学4年生の少女(12)は、肌の色が違うことから、学校ではいつも一人だ。「お前の母さんは貧しい国から来た」「体から変なにおいがする」などと言われることもある。少女は学校生活を楽しめず、成績はいつも真ん中から下の方だという。

 少子化で韓国の新生児数があまり増えない中、多文化家庭(国際結婚家庭)の出産件数は急速に増えている。統計庁が21日に発表した資料によると、多文化家庭の新生児が全体に占める割合は4.7%と、1年前に比べ0.4ポイント上昇した。新生児20人に1人の割合だ。韓国に暮らす多文化家庭の18歳以下の青少年数は、2008年から今年にかけ約11万人増加した。

 しかし、こうした子どもたちは韓国生活になじめないことが多く、これが後々大きな社会問題になるとの懸念も高まっている。外国出身の母親を持つ子どもは幼少期にきちんと言語教育を受けられず、学校生活の初めからつまずくことになる。2年前に結婚して韓国に移住したベトナム出身の母親を持つ19カ月の男児は、まだ韓国語で「お母さん」と言えない。その代わり、母親をたたいたり物を投げたり、つばを吐いたりして自分の不満や要求を伝える。母親の韓国語がつたないせいで生じた親子間の問題だ。

 保健福祉部(省に相当、以下同じ)の調査によると、多文化家庭の児童のうち、言語発達レベルが正常よりも6カ月以上遅れている児童の割合は2歳児で18.6%、6歳児で67.2%と、次第に高くなっている。多文化家庭の6歳児のうち、18%は言語障害レベルと診断された。

キム・ヨンジュ記者
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