【フクシマウォッチ】東芝、福島原発向け4本足ロボットを開発


ソニーの動物型ロボット「AIBO(アイボ)」からホンダの2足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」まで、日本は今までに印象的なロボットを生み出してきた。

Agence France-Presse/Getty Images
東芝の横浜事業所で公開された新ロボット(21日)

しかし昨年以来、日本製ロボットにはこれまでと全く違った新しい役割を期待されるようになった。その任務とは被災した原発内で放射線量が高い場所に入り、内部の状況を調査することだ。

半導体から原子炉まで様々な製品を生産する東芝は21日、昨年の東日本大震災で破壊された福島第1原発向けにロボットを開発したと発表した。4本足で歩行する新型ロボットは放射能汚染が激しい所を探査できるように設計されている。

福島原発事故が発生してから1年半余りが経過した現在でも、被災した建屋内の状態を正確に把握するにはロボットに頼らなければならないのが現状だ。しかもロボット探査は、数十年かかると予想される除染や廃炉に向けた作業の第一歩に過ぎない。東芝は福島原発にある原子炉のうち2基の供給元でもある。

同社によると、これまでの原発内作業で使われてきたキャタピラー型ロボットに比べて、今回開発した4足ロボットは階段を登ることや障害物を避けることが容易にできるという。さらに、カメラや線量計が搭載されており、人が近づけない区域での撮影や放射線量測定が可能だ。

東芝の広報担当者は「今まで探査できなかったところにも入っていくことができる」と話している。

東京電力はこれまで、千葉工業大学未来ロボット技術研究センターが製作したキャタピラー搭載型ロボット「Quince(クインス)」など複数のロボットを使い、福島原発の調査を行ってきた。

ただ、車輪のついたキャタピラー型ロボットは急こう配の斜面や階段を登ったり、進路をふさぐ障害物を避けたりするのが困難なこともあるという。

東芝はまだ名称の付いていない新型ロボットについて、障害物などによって段差のある表面でも歩行が可能だと説明。さらに、狭くて進入できない場所では、カメラ付きの小型走行車が切り離されて探査に向かうという。ロボット本体と小型走行車は有線接続されており、走行車が立ち往生した場合、本体は線を切断することができる。

東電の広報担当者は福島原発でこのロボットの活用をまだ決定はしていないものの検討はしており、その用途については、おそらく原子炉格納容器の下部にある冷却設備、圧力抑制室の外壁を調査することになるだろうと語った。

日本政府は昨年12月、福島原発原子炉の燃料が核反応の起きない温度まで冷却した状態を意味する「冷温停止」状態に達したと宣言している。

英語原文はこちら≫


コメントを投稿する

あなたのご意見をお待ちしています。
投稿する際は、利用規約の内容をご確認ください。
「名前」欄はニックネームでも結構です。

コメント (5 / 7)

全てのコメントを見る »
    • [...] オススメ記事:THE WALL STREET JOURNAL [...]

    • 世界の東芝素晴らしい!

    • >東芝は原発の責任を取れ!!

      福島原発は「GE製」だろ?

    • >日本政府は昨年12月、福島原発原子炉の燃料が核反応の起きない温度まで冷却した状態を意味す>る「冷温停止」状態に達したと宣言している。
      こうやって知識の無い者が現実を濁していく。
      原子炉レベルでの核反応は温度に依存しない。正しくは「継続的な核分裂による発熱が無い状態」崩壊熱は出るが。












Facebook 人気記事
ウォールストリートジャーナル - 日本版-The Wall Street Journal