イチロー　全米で「いいね！」　ファンとの心温まる交流が大反響

　【シアトル秋野未知】ヤンキースからＦＡとなったイチロー外野手（３９）とファンによる心温まるニュースが２１日（日本時間２２日）、全米で大きく支持された。マリナーズ時代に球団本拠地の右翼席で安打数を記した手製ボード「イチメーター」を掲げた女性ファンに直筆メッセージやサイン入り野球グッズを贈ったことに現地ファンが敏感に反応。“就活”中のイチローに対し、シカゴやフィラデルフィアの地元球団ファンから熱烈なラブコールが送られるなど、ひと足早いクリスマスプレゼントがファンの心をわしづかみにした。

　イチロー、いいね！　「イチメーター」の生みの親として知られるシアトル在住の女性ファン、エイミー・フランツさんとの心温まる交流が短文投稿サイトなどで明らかになり、イチローの評価が赤丸急上昇中だ。

　米放送局ＣＢＳスポーツ（電子版）など各サイトへの書き込みは数えきれない。「ナイスガイ」「プロ選手の手本。他の選手も見習え」−など称賛の声が寄せられ、所属先が決まっていないことから「来季はぜひフィリーズで」「願いがかなうのならば、シカゴ（ホワイトソックス、カブス）でのプレーを望む」と私的な熱烈オファーが届いた。米スポーツサイトのヤフースポーツには、日本時間２２日夕方時点で１３２０件ものコメントがあったという。

　イチローのストーブリーグは芳しくない。今季所属したヤンキースとの再契約を最優先と考えているようだが、来年１０月に４０歳を迎えるなど年齢がネックになっている部分もある。かつてはメジャー史上最多の２６２安打を放ち、現在も俊足巧打で守備にも定評があるが、今オフについては引く手あまたとはいえない。

　だが、今回の“サプライズ”で「ファンを大事にする男」と全米に認知された。成績以外の付加価値が評価され、来季への補強ポイントに外野手を掲げる球団が獲得に向けて新たな動きを見せる可能性も否定できない。

　エイミーさんへの感謝の手紙には「あなたのユニークで誠実な応援は常に大きな励みになった」とつづられていた。９年にわたって支えてきたファンへ恩返しする感動の実話『イチローからの贈り物』が全米を席巻したことで、イチロー株はうなぎ上りだ。