官房機密費の部分公開認める11月22日 17時32分
3年前、政権交代の直前に支出された、いわゆる官房機密費2億5000万円に関する情報を公開するよう、市民グループが求めた裁判で、大阪地方裁判所は、情報収集活動の相手など具体的な使いみちが特定されない範囲で、文書の公開を認める判決を言い渡しました。
官房機密費は、毎年およそ12億円が国庫から支出され、情報収集活動などに使われているとされていますが、具体的な使いみちは公開されていません。
3年前の衆議院選挙の直後には、自民党の当時の河村官房長官の下で2億5000万円の官房機密費が支出され、市民グループが「政権交代の直前に支出したのは不自然だ」として国に情報公開を求める裁判を起こしていました。
22日の判決で、大阪地方裁判所の田中健治裁判長は「政権交代にかかわらず、継続的な取り組みが必要な案件もあり、直ちに不適正な支出とは認められない」と指摘しました。
そのうえで、相手の名前や金額が書かれた領収書などについて「公開されると情報提供者などからの信頼が失われ、国の活動に著しい支障が生じるおそれがある」として、非公開とする判断を示しました。
一方、鉄道など交通費の領収書や月別の支払い金額など一部の文書については、相手の名前や具体的な使いみちが特定されるおそれがないことを理由に、非公開とした国の決定を取り消し、公開を認めました。
官房機密費を巡る裁判では、ことし3月、大阪地方裁判所が同じように一部の文書の公開を認めていますが、交通費に関する情報公開を認めたのは今回が初めてです。
“一歩前進だが、透明性はまだまだ低い”
判決について、市民グループの松山治幸さんは「交通費の情報公開が認められ一歩前進だが、税金の使いみちという点で透明性がまだまだ低く、今後も裁判で訴えていきたい」と話しています。
また、阪口徳雄弁護士は「なぜ短期間に2億5000万円もの金が必要になったのかという問題意識について裁判所が評価しておらず、極めて不満だ」と話しています。
“判決内容分析し、適切に対応したい”
内閣官房内閣総務官室は「判決内容をよく分析し、関係機関と協議して、適切に対応したい」としています。
[関連リンク] |
|