射表の使用法(射撃計算) その1 |
『射撃理論 初級編』として、測的とそれに関する座標について、そして弾道理論、弾道修正と進んできました。 そこで、ここではそれらの総合として、実際の射表を使って射撃計算をしてみたいと思います。
使用する射表は、残念ながら手元に旧海軍の適当なものがありませんので、第2次大戦で大活躍した米海軍の5インチ/38口径砲の水上射撃を例にとって射撃計算法を解説したいと思います。
1. その前に (現在の頁) |
2. 射表の構成 |
3. 空気密度による射距離誤差 |
4. 砲齢による初速差 |
5. 例題による射撃計算 |
6. 補足事項 |
1.その前に
(1) 使用する単位について
さて、射表を使っての射撃計算に入る前に、単位のことをお話ししておかなければなりません。 射撃で使用する単位の基本的なことについては、『 射撃関係用語集 』の『 5.単位 』でご説明しておりますので、まずそちらをご覧下さい。
これからご説明するのは米海軍の射表を使ってですから、長さの単位はヤード(yards)、角度の単位はミル(mil)です。 もちろん、ミルと言っても米海軍の場合は旧海軍の千分の一単位(分画)と同じ意味であることは既にご説明しました。
それでは、まず練習問題です。 (簡単ですから答え合わせは不要と思いますが、正解は右の白抜き欄にマウスを載せると表示します。)
ちなみに、問4の図のように、水面を横線に標的を四角で、弾着をV 印で現すのは、旧海軍や海上自衛隊での弾観(弾着観測)記録のつけ方です。
(2) 方向角と的角
方向角 とは、自艦(G)の艦首尾線を含む鉛直面と、照準線を含む鉛直面とのなす角を、水平面内において艦首から右回りに測定したものを言い、360度方式で呼称 します。 (右○○度、などとは言いません。)
また 的角 とは、目標(T)の艦首尾線を含む鉛直面と、照準線を含む鉛直面とのなす角を、水平面内において目標の艦首から右回りに測定したものを言い、これも 360度方式で呼称 します。
つまり、早い話が下の対勢図のとおりです。
それでは、練習問題です。
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最終更新 : 20/Sep/2007