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序   論


まず「射撃理論」とは何か? ということについて、皆さんと頭合わせをしておきたいと思います。

皆さんなら「射撃理論」という用語をどのように定義されますか? 勿論、“射撃の理論だ” だけでは、何の説明にもなっていませんよね。

最も簡単な定義は、“大砲から発射した弾丸をどうしたら狙った目標に当てることができるかという理屈” と言うところでしょうか。

このように定義してしまえば簡単なことなのですが、既に「超入門編」でご説明したとおり、そこには「弾道理論(弾道学)」あり、目標の動きや風に対する「見越し」あり、動揺に対する修正あり、等々、大変多くの事柄が含まれていることはご理解頂けると思います。

そこで、射撃理論の初級編を始めるに当たり、先の定義をもう少し “鉄砲屋” らしく表現し直して、ここでは取り敢えず “目標未来位置を通る弾道に対する砲軸線を決定すること” としておきます。

即ち、ある目標を射撃しようと決心したならば、まずその目標の位置を何らかの方法で見付けて決定しなければなりません。 そして、目標の位置が決定したならば、それを自艦を原点とする何れかの座標系で表します。

この自艦を原点とする座標で表される目標の現在の方向に砲軸線を向けて発砲しても、当然のことながらその弾道は目標を通りません。 発砲した時の目標の位置(目標現在位置)ではなく、発射された弾丸が飛翔して目標に到達するときの目標位置(目標未来位置)に正しく弾丸が届くようにしなければなりません。 

これを言い換えれば、目標の未来位置を通る弾道を求め、弾丸がその弾道に沿って飛翔するように発砲するための砲の向き、即ち砲軸線を決定することが、本「初級編」における論述範囲であり、これをできるだけ簡単にご説明することとします。

なお、射撃理論の各論の詳細及び旧海軍における「射撃理論」の考え方については、上級編に詳しく説明しますので、そちらをご覧下さい。



@. ...he is a little excited ... A The hunter fire ...a clean miss.
B  The hunter leads his target.    C   ...a perfect hit.



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 最終更新 : 04/Jan/2006