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民主逆風2倍…菅前首相もなりふりかまわぬ選挙戦

吉祥寺駅前で街頭演説をする菅直人氏
植え込みの縁に立ち、お膝元のR吉祥寺駅前で街頭演説をする菅直人氏。厳しい選挙戦を示すように聴衆はやや少なめだった
Photo By スポニチ

 12月16日の衆院選投開票まで、あと26日。政党が乱立する中、有権者は混沌(こんとん)とする政治を誰に託すのか。注目の選挙区の情勢を緊急ルポする。第1回は福島第1原発事故の対応が問われる菅直人前首相(66)の東京18区=武蔵野市、府中市など。民主党政権に逆風が吹き荒れる中、生き残りをかけて、なりふりかまわぬ選挙戦を展開している。

 多くの買い物客でにぎわう日曜日のJR吉祥寺駅前。昨年8月の首相退任から初となった地元での街頭演説では、街宣カーの上からではなく、高さ40センチほどの縁の上に立ってマイクを握った。指揮を執った原発事故の対応を振り返り、胸を張るように約1時間の熱弁。ただ、聴衆は150人程度で、罵声も声援もなくやや、しらけムード。首相だった2010年夏の参院選では、同じ場所に数千人が詰めかけており、地元での“菅離れ”を印象づけた。

 「初心に戻って街頭演説や朝夕の駅頭もやってほしい」。地元票集めに奔走する民主党市議らは菅氏に対し、切実な思いをぶつけた。菅氏も「次は厳しい選挙になる。一に戻ってやりたい」と強い危機感を口にした。

 東京に25ある小選挙区のうち、05年の郵政選挙で民主党が議席を獲得したのは、わずか1区。それが「18区」。逆に、09年の政権交代を実現させた衆院選では「21」と押し返した。この間、有権者が抱いた民主党政権への反発は強烈で「オセロのように一気に入れ替わる可能性も否定できない」(都連関係者)。加えて、菅氏には原発事故への対応のまずさから、リーダーシップを疑問視する声も上がり、逆風は2倍。民主党にとっては“首都最後”の牙城すら崩されかねない状況だ。

 菅氏の留守を預かる伸子夫人も支援者回りを進めている。党所属市議によると、菅氏への反発は若者ほど強いため、年配者を中心に票の掘り起こしに重点を置く。「伸子さんはかつて民主党を除名処分された議員にも“危機的状況なので、恥をしのんでお願いに来た”と頭を下げてきた。相当危ないんだろう」(党外の市議)。解散前までに掲示していた政治活動用ポスターも「原発ゼロ」を前面に出し、名前と党名はやや控えめ。当選10回の首相経験者とはいえ、生き残りをかけて必死だ。

[ 2012年11月20日 06:00 ]

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