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警戒区域でバイオ燃料原料収穫
11月20日 23時28分

原発事故のあと警戒区域に指定されている福島県富岡町で、バイオ燃料の原料にもなるトウモロコシと菜種が試験的に栽培され、20日、初めての収穫が行われました。

試験栽培は、町が研究者の協力を得て、ことし5月からおよそ60平方メートルの農地で行っています。
栽培品種は、トウモロコシと菜種で、バイオ燃料の原料になることから、被災地の新たな産業になるとして選ばれたもので、20日は、防護服を身につけた農家の人たちが畑に入り、トウモロコシの房を一つ一つ、もぎ取っていきました。
収穫されたトウモロコシは、今後、町内に設けられた研究施設で、バイオ燃料のエタノールなどに精製されるということです。
また、町ではトウモロコシと菜種の栽培を通して、放射性物質や塩分などがどの程度吸収されるか分析し、今後の除染や塩害対策にも役立てたいとしています。
取り組みを行っている地元農家の渡辺康男さんは「先祖伝来の農地は守っていかなければならず、何とか成功させて、将来の町の復興につなげていきたい」と話していました。
また、九州大学大学院の原敏夫准教授は「放射性物質を含んだ作物でも、バイオ燃料を生成する過程で放射性物質を除去できる可能性が高い。農家の人が戻ったときに、農作物を生産できる仕組みを構築しておくことが大切だと思う」と話していました。

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