ニックネーム:太田たこす
いわゆる一つの同人オタク。現在の活動ジャンルはアニメ・ゲーム・マンガ(「ぱにぽに」など)のパロディ中心。元コミケスタッフ(館内担当)

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2012年11月21日(水)
「上手い人だけサークル参加させろ」について
時折「下手な奴はコミケにサークル参加させるな、審査で落とせ。
    上手い人にだけ場所を与えろ」
という主旨の主張がなされます。
過去に何度もあって、「ああまたかよ」ってなものなんですけども。

でまあこういう提案をする人の言い分を聞いてみると、
「その方がコミケのためになる」という方向に論を展開していく事がしばしば。
「別に自分たちが上手いサークルの本だけ欲しいというだけで言っている訳じゃない」と。
他の同人誌即売会は置いといて、コミケに限定した話になりますが、
「そう言われたってコミケはそんな事する気はないですよ」
というのが昔から変わらない答えになると思われます。

根拠として「コミックマーケットサークル83参加申込書セット」2ページ、
コミケットの理念と目的から、その一部を引用します。

※引用開始
☆プロジンや既成の物にはない新しい形での表現を求めていく創作活動、研究したり楽しんだりするファン活動を行う人たちの為に、出会いの場を提供し、それを通して刺激を与えていく活性剤の役割をコミケットは持ちます。即売会の形を取った、コミュニケーションの場、マンガ、アニメファンの社交場としての意味も同時に持つでしょう。
※引用終了

この「研究したり楽しんだりするファン活動」という部分、
コミケはこれのための場所でもあり、
別に技術を磨く人たちの為だけの場所ではないんですね、もとより。
だから「上手い下手でサークルを審査する事はしない」のが基本スタンス。

もちろん上を目指して技術を磨くこと自体は素晴らしい事ですし、
それをコミケという場で行っても全く問題はありません。
ただ「それだけの為の場所ではない」ことも忘れないでいただきたいなと。
「上手い人しかサークル参加できないイベント」はあっても構わないのですが、
「それをコミケに求めることは筋が違いますよ」ということなんです。

(以下「続きを読む」内で)


以下はコミケに限った話ではなく同人全般のお話。

同人誌、同人イベントの楽しみ方って本当に人それぞれで、
作品のレベルとか無関係に同じ作品・作家のファン同士で盛り上がったり、
同人誌・同人グッズを通して交流するのが楽しいという側面が黎明期からあって、
それは間違いなく今でも残ってるんですよね。
そうじゃない人もたくさん増えているとはいえ。
また「下手だけど面白い作品」という場合だって多々ありますし、
それを見つけ出すのが趣味という読み手さんもいます。
私にも「けして技術は高くないけど、この人の作品が好きだ」
という同人作家さんが何人かいます。
(技術が高くないと書いてしまったので、お名前は出せませんが(汗)
てか人の事言える技術力なんてないですが、私にも。)
審査制度を導入すると、そういった側面をほぼ排除する事になるんですね。
愉しみ方が限定されてしまい、同人の持っている魅力を削ぐ事になってしまいます。

もとより「作りたい物を作って頒布できる何でもありが魅力」
(法などの制限はあるけど)
というのが、同人活動の特徴であり、
ここまで多くの人をひきつけた主要因のはずなので、
それを制限するような真似は逆に同人全体の勢いをそぎ、
規模縮小に向かわせるだけだと思うのですよ。

作品のレベルが一定以上の水準でないと参加できないとなれば、
それは商業誌への持込とあまり変わらないハードル、
つまり「参入障壁」になるわけですからね。
もしコミケ黎明期から審査制度があったら、
同人文化はここまで大きくなってないと思われます。
2012-11-21 21:07 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| コミケ・同人誌関連 |
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