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政治
【政論】さらばミスター民主党 失意の鳩山氏にかつての「友」の姿なし
「ルーピー」(気が変)と呼ばれる珍奇な言動で政界をにぎわしてきた鳩山由紀夫元首相が21日、引退を表明した。夢想と現実の区別がつかず、虚言と食言で日本の国益を毀(き)損(そん)し続けたこれまでを思うと遅すぎる決断だ。とはいえ、「政権交代の立役者」(藤村修官房長官)である「ミスター民主党」が誰にも惜しまれずに孤独に去りゆく姿は、政治の非情さと諸行無常を表し感傷を禁じ得ない。
「これからも大所高所からわが党にご指導賜るようお願いした。固く二人で握手をしてお別れをした」
野田佳彦首相は鳩山氏の引退報告を受けた後、記者団にこう述べた。党執行部からは「名誉ある勇退」(細野豪志政調会長)など美辞麗句も聞こえるが、実態は自民党の安倍晋三総裁がこう喝破している。
「現政権が自分たちのイメージアップのため、鳩山氏をトカゲの尻尾切りふうに辞めざるを得なくなる方向に持っていった」
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