- ― はじめに、「戦国BASARA」シリーズは2005年に第1作が発売されましたが、そもそもなぜ戦国時代をモチーフにしようと考えられたのですか。
- 小林 戦国時代は以前から日本人に親しみの深いジャンルであり、戦国時代をテーマにしたエンターテイメントは、大河ドラマや映画、漫画、小説などゲームソフト以外に多数存在します。しかし誰もが気軽に遊べるアクションゲームというものはなかったため、ここで何か新しいものを作ろうと考えました。
- ― 「戦国BASARA」シリーズと昨今の戦国ブームは、それぞれが影響しながら盛り上がっていったのでしょうか。
- 小林 そうですね。今でこそ「戦国ブーム」と言われていますが、ブームといっても常に波があると思います。「戦国BASARA」は、その波の中で、2005年から毎年継続的に1本ずつタイトルを発売してきました。そしてゲームだけでなく関連グッズやイベントなどに展開する過程でファンも増え、徐々に盛り上がってきました。
- ― シリーズを通して個性的なキャラクターが特徴的ですが、どのように決定したのですか?
- 小林 ゲームの開発が決定し、歴史を調べていく中で、「伊達政宗」と「真田幸村」の人気が高いことが分かったんです。この2人は時代の中でも重要人物であることを改めて知り、メインキャラクターに設定することになりました。他のキャラクターについては、日本全国から様々な武将をリストアップした上で、相関図や設定に合う武将を選んでいきました。
- ― 歴史上ではあまり表立っていない武将も存在感がありますね。
- 小林 登場する武将を決定する際、例えば四国地方は長曾我部、中国地方は毛利という形で地域ごとに選定し、架空のキャラクターを織り込みながら登場させています。
- ― 同シリーズは女性にも人気がありますが、どのような点が受け入れられたと思いますか。
- 小林 実際のところ、これほど女性層に人気が出るとは思っていませんでした。ゲーム内容は少年漫画のような分かりやすい内容を心掛け、2人のヒーローを主体とした「善と悪」というシンプルな構図を描いています。ただ、実際に少年漫画に女性ファンが多いことや、「カッコいい」キャラクターが登場することなどが主に女性に受け入れられた理由だと思います。また、本来アクションゲームは女性ユーザーが少ないと言われていますが、「戦国BASARA」の場合は他のゲームと異なり比較的難易度も低いため、手軽に遊べる点も受け入れられた理由の1つだと思います。
- ― 操作が簡単だということでしょうか。
- 小林 はい。操作性などは、大抵の人がクリアできるように敢えて簡単に設定しています。
- ― これまでゲームに関心のなかったユーザー層も取り込めているのが強みですね。
- 小林 結果としてそうなったのだと思います。ゲームが好きな方を含め、アクションゲームの操作が苦手な方や、ゲーム自体に興味がない方にも遊んでいただくために、年齢層を幅広く設定しました。具体的には、難易度の調整に加え、商品化・アニメ化などを行い、お子様からご年配の方まで楽しんでもらえるように展開しています。その結果、シリーズを通して予想以上に幅広いユーザー層を獲得できました。イベントで「子供だけでなく私も好きでプレイしています」というお母さんに出会ったこともあります。