流動・維新:2012衆院選/2 「促成栽培」の公認候補たち
毎日新聞 2012年11月21日 東京朝刊
人の育成や地道な組織作りが追いついていないのは地方でも同じだ。各地で候補者を支えるはずの「地方維新」も、連携協定を結んだのは5都府県の団体だけ。その一つの「岡山維新の会」は10月31日に協定を結び、11月11日には橋下氏が岡山市に遊説に訪れた。しかし、維新の大阪市議は遊説に先立ち、岡山市役所で記者会見し「(岡山維新と)どう連携するか未定だ。我々は空中戦でいく」と言い放った。
遊説当日、橋下氏は街宣車の上で熱弁をふるった。「維新にはカネもヒトも組織もないが、実行力とけんかだけには自信がある。どうか橋下徹に託してください」。会場には岡山維新幹事長で元自民党衆院議員の熊代昭彦・岡山市議がいたが、橋下氏は最後まで気がつかなかった。
表看板頼みの選挙戦が地に足がつかないままスタートしている。=つづく