東西両横綱が、今場所に関して言えば比較的楽だと思えた相手に負けた。
これまで、日馬富士は数字上は苦手としている琴奨菊に敗れ、白鵬はこれまで31勝8敗と圧倒している琴欧洲に敗北を喫した。
皮肉にも同じ部屋のカド番大関なのである。過去のいきさつは別にして、2人ともかなり楽に勝てそうな相手であったのだが…。そんな相手に負けるのは、心理的な要因が働いていたのだろう。
両横綱の負けには取りそこないのにおいがただよう。それにしてもこの敗北は大きい。特に優勝争いに限っていえば、3敗の力士まで、生き返って来る可能性を想定できる。皮肉な現象だが、今後の取組を面白くするだろう。
大相撲を彩る現象としては、決して悪いものとはいえないけれど、といって優勝ラインが下がることや、それに関連することが出て来ることは考えなければいけない。
混乱が起こる度に、それが新しい流れにつながることを私は祈っている。 (作家)
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