岡本・伊賀市長:初登庁 がれき「受け入れない」 /三重
毎日新聞 2012年11月22日 地方版
元民放アナウンサーの岡本栄氏(61)が21日、伊賀市長に就任、初登庁した。東日本大震災によるがれきの広域処理問題について、岡本市長は「公約通り(受け入れないという)方針が変わることはない」と述べた。また、選挙で掲げた変革を訴えるスローガン「あかんやろ」にちなみ、全職員に「職員が思う伊賀市のあかんやろ」をテーマにリポートを提出させる、とした。【伝田賢史、矢澤秀範】
◇全職員にリポート課す
就任後初の記者会見で、震災がれき問題について、岡本市長は「選挙前から言ってきたが、受け入れるべきだ、との積極的な反応は寄せられていない。民意は示された。市民の絆にひびが入ってはいけない」と述べた。
午後からの市議会全員懇談会で「県に対して具体的な動きを取るのか」との質問には「県から聞かれたら、お答えをする」とした。
がれきの処理施設は名張、伊賀両市でつくる組合が運営。岡本市長の発言について、組合管理者の亀井利克・名張市長は取材に、「今のところ、どうこうとは申し上げられない」と話した。
■記者会見は立ったまま
記者会見は、従来の市役所応接室ではなく、「ハイトピア伊賀」の会議室で実施。岡本市長は、市のマスコットや市章が入った新調のバックボードを背に、約50分間立ったまま質疑に応じた。「アナウンサーは立ち仕事。もう1時間でも大丈夫」と余裕の表情。
市長のトップセールスによる産業振興については、23日早朝の毎日放送ラジオ「朝からてんコモリ!」にさっそく出演し、伊賀産コシヒカリや伊賀牛をPRするとした。前職の経験を生かし、テレビ・ラジオ番組で伊賀の情報発信に努める意向を示した。
■庁舎建て替えは凍結
市役所の建て替え計画についても凍結方針を堅持するとしたが、「議会への報告を優先する」として、詳細は明かさなかった。27日の市議会全員懇談会で、計画見直しについて説明するとみられる。
財政再建については「民間の感性を市政に持ち込み、無駄のない財政運営に取り組む」とし、不要資産の売却を検討するとした。一方、課題把握のため、全職員にA4用紙1枚程度のリポートを課す方針を示した。副市長人事は、12月議会中にも提案したいとした。
■前市長の椅子を撤去