衆院選:侵略戦争を全面否定する自民党の公約

 自民党は21日、来月の総選挙に向け選挙公約を発表し「日本を、取り戻す」というスローガンを前面に掲げた。自民党は「外国に断固とした覚悟を示す強い日本」「日本で生まれたものを誇ることができる日本」を取り戻そうという意味だと説明した。自民党は「強い日本」を実現するため、軍隊の保有、軍備拡大、集団的自衛権の保有などを主張。「誇らしい日本」を実現するために、侵略戦争を反省した歴史教育を全面的に否定する公約を掲げた。

■集団的自衛権の導入確実

 自衛隊を国防軍に格上げする内容の憲法改正、集団的自衛権の導入、防衛費の拡充は事実上、日本の再武装宣言だ。集団的自衛権とは他国が攻撃を受けた場合、自国が攻撃を受けたと見なし、攻撃した国を攻撃できる権利を指す。自民党の安倍晋三総裁は「米軍が攻撃を受けた場合、現行法を理由に自衛隊が知らないふりをすれば、日米同盟は維持できない」と主張した。集団的自衛権導入は憲法を改正することなく、国家安全保障基本法の制定、憲法の解釈変更だけで可能だ。

■侵略の歴史を「自虐史観」と規定

 自民党は公約で既存の教科書や教育を「自虐史観偏向教育」と位置付けた。日本の教科書に残る過去の侵略戦争に対する反省までも教科書から完全に削除し、侵略戦争を正当化するものだ。

 自民党は教科書検定制度も抜本的に見直し「近隣諸国条項」を修正する方針を固めた。1982年に定められた同条項は教科書を検定する際「近隣アジア諸国との間で起きた近現代の歴史的事実を扱う際、国際理解と国際協力の観点から配慮する」との原則だ。近隣諸国条項が見直されれば、日本の「侵略」が「進出」に、「弾圧」が「鎮圧」に、「出兵」が「派遣」に記述が変わる。

■慰安婦の強制連行否定

 自民党は日本軍に強制連行された従軍慰安婦の存在を否定する海外広報を強化する公約も示した。安倍総裁は総裁選で、日本軍の慰安婦強制連行問題で謝罪した「河野談話」など過去の政権の歴史問題に関する反省談話を見直すと公約している。

 自民党はまた、現在島根県レベルで行われている独島(日本名・竹島)関連の行事を政府行事に格上げし、担当部署を設置する方針も示した。独島に関する調査・研究機関を設置し、独島に対する領有権の主張も強化する。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>