【社説】安倍総裁、この公約で首相になり韓中首脳に会えるのか

 日本の総選挙で政権を執る可能性が高い自民党は21日、島根県が独島(日本名:竹島)の領有権を主張して条例を定め、毎年2月22日に実施してきた記念日「竹島の日」を日本政府の公式行事に格上げするという公約を掲げた。また、同党は旧日本軍従軍慰安婦動員に強制性がなかったという反論を強く主張していくことも公約に盛り込んだ。

 2005年に島根県議会が「竹島の日」を制定したとき、日本政府関係者は「地方自治団体がすることに対し関与はできない」と言い逃れをした。その日本は今年4月11日、憲政記念館(東京都千代田区)で国会議員約50人や政府高官が出席する中、「竹島」の領有権を主張する公式集会を開いた。日本が正常な軌道を外れていく兆しはこのころから本格化し、とうとう次期政権の首相と目されている安倍晋三・自民党総裁が「『竹島』は日本の領土」と主張する行事を政府レベルで全国的に開催すると言い出したのだ。

 「竹島の日」の政府行事昇格公約は日本が理性を失っていることを実証しているが、慰安婦の強制性を否定するという公約まであるとなると、日本が正常な軌道に戻るのは不可能ではないかという懸念や不安さえ湧いてくる。慰安婦動員の強制性を否定すれば韓国だけでなく、中国や台湾、フィリピン、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどアジア近隣諸国全体の怒りを買うのは明らかだが、日本の中でこれにブレーキをかけようという人物は誰もいない。自民党の選挙公約の中には日本が中国と領有権争いを繰り広げている尖閣諸島(中国名:釣魚島)に公務員を常駐させるという内容も盛り込まれている。

 2006年9月から首相を1年間務めた安倍総裁は、日本が過去の歴史について謝罪の意を表したあらゆる談話を見直すと言うなど、極右ファッショ志向の発言を繰り返してきた。安倍総裁は産経新聞が先日実施した「日本のリーダーにふさわしい人」という調査で、同総裁だと回答した人(11.9%)より極右傾向の強い橋下徹大阪市長と回答した人(15.6%)が多かったことを受けてか、隣国に対する政治的宣戦布告も同然の公約で集票に乗り出したのだ。

 韓中日の3カ国は08年12月に福岡で行われた初の3カ国首脳会談を契機に、毎年首脳会談を開いてきた。しかし、もし安倍総裁がこのような公約を掲げて次期首相になれば、3カ国間首脳会談が開けないことは言うまでもなく、その次期首相と韓国次期大統領や中国首相が北東アジアの将来を共に語り合えるはずがない。

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