■渡辺喜美・みんなの党代表
安倍総裁は、金融政策と国土強靱(きょうじん)化をごちゃまぜにしている。安倍総裁の話の中で、建設国債の日銀引き受けという話が出てきた。まさしく、金融政策と自民党の政策である国土強靱化法のミックスだ。
金融政策に余計な概念を持ち込んでしまった。なぜ建設国債に限定するのか。全く意味不明だ。国債は色がついていない。赤字国債だろうが、建設国債だろうが、財投債だろうが、単なる国債だ。国債を日銀が引き受けても、市場から買い入れても、結果として同じことだが。例えば、建設国債は5兆円だ。これを金融緩和の中で日銀に買ってもらう、引き受けさせることになると、これは極めてしょぼい緩和にしかならない。
あるいは、安倍総裁の言うように無制限の国債買い入れとなると、国土強靱化法で無制限に建設国債を発行していくという、とんでもない話につながっていく。金融政策は、あくまでも金融政策の土俵の中で考えないといけないのに、これが自民党の限界というか。安倍総裁に、おそらく間違ったレクチャーをしてしまった人がいるんだろう。(党役員会のあいさつで)