中国の皆様、こんにちは。日本大使の丹羽宇一郎です。
7月31日に着任しました。私は長くビジネスマンとして中国と深く関わってまいりましたが、まさか自分が大使として中国にやってくるとは思っていませんでしたので、とても光栄に感じています。
よく日中関係は長い歴史を持つ一衣帯水の関係であると言います。まさにそのとおりで、すでに二千年以上の交流の歴史があります。そして今後も千年、二千年と隣人としてつきあっていくことになります。
近いことは交流を深めるのに有利であると同時に、かえってお互いの違いや不一致が目に付くことになります。しかしながら、長年の友人関係においてもそうですが、常に相手の事を考え、お互いに努力することが重要です。私たちは、その点を踏まえつつ、二千年の交流の歴史の上に新たな日中関係を求めていく必要があります。今や日本も中国も世界の中で責任のある地位にあります。その両国が手と手を携えて協力していくことは、日中両国の国民のみならず、世界中の人々のためにも重要です。両国が首脳レベルで合意している「戦略的互恵関係」とは、双方のこのような姿勢の中に結実するものだと考えています。
いまや日中関係の担い手は、政治家や外交官という一部の人々ではなく、一人一人の国民が主人公になりつつあります。中国に来て一番感じるのは、この点です。特に、高校生や大学生などの若い人々が、国や言葉の違いを難なく乗り越えて交流を深めている姿を見ると、とても頼もしく思います。
私は普段は北京にいますが、機会を見つけて様々な地方にも行き、できるだけ多くの方々とお会いしたいと考えています。是非、皆様と共に、永遠の未来に向かう日中関係を創っていきたいと考えています。
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