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ハゲコウ飛行トレ 秋吉台サファリ「飼育環境」大賞に
2012年10月13日(土)掲載
来園者の頭上をかすめて飛ぶアフリカハゲコウのギン=12日、美祢市美東町赤の秋吉台サファリランド
コウノトリ科の大型の鳥、アフリカハゲコウの飛行トレーニングを続ける美祢市美東町赤の秋吉台サファリランド(池辺祐介園長)が、水族館や動物園の飼育環境を豊かにする取り組みを評価するエンリッチメント大賞を受賞した。これまでに1羽が園外に逃げるアクシデントもあったが、飛ぶ姿を見せたいという飼育員の熱意が受賞につながった。

同賞は市民ZOOネットワーク(東京都)が2002年度に創設。本年度は全国から58通の応募があり、同園など3件が大賞に選ばれた。

同園は雄のギンと雌のキンの2羽を2009年10月から飼育。本来持っている羽ばたく動きを引き出したいと、展示場の外で飛行の調教を行い、10年4月から週末のイベントで空を飛ぶ姿を披露している。

当初は2人の飼育員の間を行き来するだけだったが、少しずつ飛行距離を伸ばした。翼を広げた長さは2.5メートルもあり、来園者の頭上をかすめて飛ぶ姿は迫力満点。風を利用してほとんど羽ばたかずに滑空したり、大きく旋回する様子を観察できる。

昨年6月、雌のキンが訓練中に上昇気流に乗って行方不明になり、9日後、直線距離で約360キロ離れた和歌山県内で保護された。一時は飛行の中止も考えられたが、衛星利用測位システム(GPS)機能付きの発信機を背中に取り付けるなどの対策を取って継続している。

運動不足が解消され健康状態も良く、今後は繁殖にも期待がかかる。飼育員の佐藤梓さん(32)は「飼育施設も手作りで少しずつ頑張ってきて、ハゲコウの幸せにもつながっていることが評価されてうれしい。一番の目標は繁殖。フライトを安全に継続したい」と話した。

ハゲコウの「ダイナミックフライト」は土日祝日の午後1時半から。平日は午後2時半からトレーニングの様子を見学できる。
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