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平成23年第2回定例会所信表明

渋谷市長所信表明

 平成23年第2回定例市議会の開会に当たりまして、私の所信を申し上げたいと思います。
 4月24日に行われました統一地方選挙におきまして、星野前市長の後を受けて、私が市長としてこの4年間の市政を担うことになりました。各市議会議員の皆様のご協力をいただく中で、市民の皆様の負託にこたえてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 はじめに、3月11日に起きました東日本大震災により、太平洋沿岸の東北地方では未曾有の甚大な被害を受け、また、福島原子力発電所の放射能漏れも発生し、6月1日現在、亡くなられた方が15,310人、行方不明者が8,404人、避難者が100,527人もおり、未だ復興への道筋も描かれておりません。被災者の皆様には改めてお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々に心より哀悼の意を表します。
 現在、国は5月に4兆円の第1次補正予算を組み、また、今後予定している第2次補正予算で、復興に向けて本格的に取り組みを行うとしています。被災地が一日も早く復興し、被災者の方々が早く元通りの生活に戻れるよう願うもので、日本が一つになって復興に向け協力していかなければなりません。
 このような中、市では、被災地への義援金活動を行ない、6月1日現在で2,330万円ほどになり日本赤十字社を通じて被災地へ届けたほか、避難者の皆さんには市営住宅や立科山荘の提供を申し出たところ、現在は、市営住宅に4世帯16人が生活をしておられます。その他、市内の都営住宅やUR都市機構の賃貸住宅等にも70人ほどが避難されているようです。
 また、被災地への職員派遣につきましては、6月末までに東京都市長会を通じて、岩手県釜石市などへ計8人の職員を派遣しますが、今後も継続的に被災地への職員の派遣要請があり、長期的な対応になるものと思われますので、市としましても引き続き出来る限りの支援をしていきたいと思います。

「3本の木」の清瀬の物語

 さて、「今、人間社会は大変な時の流れの中にある。大変化の時代に我々はいる。」ということが、2〜3年前からの私の基本的認識です。
 では、大変化にどう対処していくのかですが、結局の所、私たちに出来ることは、根気よく誠実に一つ一つと向かい合って、問題を解決するための努力をしていくしかないと思っています。社会現象、経済現象、自然現象、森羅万象すべてに向かい合って、当事者意識を持って行動し答えを探していくことだと思っています。
 人間の意識には力があります。だから、当事者意識がまず大切です。そして当事者意識の集まり、集合は想定外に大きなパワーを発揮するはずだと思います。
 我が日本の歴史上、最大の難局といえるであろうこの国難にあたって、何が必要かといえば、当事者意識の集まり、「一致団結」の力であることは言うまでもありません。「向こう三軒両隣」、お互いの違いを認め許し合いながら、身近な所で、助け合い支え合い、協力調和していくことが求められています。
 では、団結するためには何が必要か、イメージの共有だろうと思います。その共有するイメージ、共感できるイメージを我が清瀬は2年前に市民みんなで作り出しました。それが「手をつなぎ 心をつむぐ みどりの清瀬」です。このスローガンの具現化の一つは、既に六小地区の円卓会議の成果となって現れていますが、私は4月の選挙戦で、市内各所、随所でこのスローガンを訴えました。
 そして、この「手をつなぎ 心をつむぐ みどりの清瀬」をさらに具現化、具体化、実現化させていくことを考えていたら、「清瀬を守る3本の木」に辿り着きました。
 地球には地軸が存在しています。地軸を中心として地球は自転しています。有り難いかな、我が清瀬にもキ・ヨ・セの軸、木軸がいつの間にか誕生していました。今までのまちづくり、とりわけ星野市政16年のまちづくりが、この木軸、「清瀬を守る3本の木」を生み出しました。ハードパワーがソフトパワーに転化したといってもよいかもしれません。
 1本目の木は市役所にあります。市民のお役に立つ所の入り口に立つ、大きなケヤキの木です。そして、2本目は市役所から見て東北、表鬼門の方角にある台田の杜に鎮座するヤマザクラの大木です。この木は19,000平米の雑木林を清瀬市民に寄付してくれた伊藤ヨシさんが子どもの時に植えたと言われています。だからこのヤマザクラは、まさに、清瀬の善意の象徴であり、緑の守り神と表現しても過言ではないと思います。
 次いで、3本目は市役所の南西、裏鬼門の方角にある「けやきホール」にさがる緞帳に描かれた、靉嘔さん作の「大きな木」です。これもまた、市内篤志家のニッセイロールペーパー日野社長の多額の寄付で製作されました。靉嘔さんは海外でも認められている画家であり、価値的には相当なものではないかと思います。愛があり、夢、希望が膨らみ、命の輝きがオーラとなって放たれています。
 さて、清瀬市の市章はカタカナの「キ」をデフォルメしたものですが、これも3本の線で描かれており、この3本の線が50年を経て、「清瀬を守る3本の木」として立ち現われたとすれば、素敵な清瀬の物語が出来上がります。
 この「3本の木」の清瀬の物語、清瀬の木軸を、「手をつなぎ 心をつむぐ みどりの清瀬」に添えて、我が清瀬の魅力を市内外に発信して、我が清瀬の安定・安全・安心、そして発展の原動力にしていきたいと考えています。

4年間に取り組んでいきたい具体的な政策課題

 このような中で、私がこの4年間に取り組んでいきたい具体的な政策課題について申し上げます。
 まず1点目は、「安全で安心なまちづくり」であります。
 特に、東日本大震災を教訓に、地震の規模をマグニチュード6.9としています現在の清瀬市地域防災計画を、国や東京都の計画見直しと合わせ、地震の規模や被害想定、帰宅困難者、備蓄資材などの見直しを行なっていきます。また、災害時の緊急情報伝達について、この度の計画停電の際に防災無線が聞こえない、聞きづらいなどの苦情を多くいただきましたので、そういった地域については防災無線の増設を図っていきたいと考えています。同時に、今年から震災訓練の内容を見直し、出来るだけ多くの市民の皆さんの参加と多くの職員を動員し、被災者の救助や避難所の対応訓練など、今回の震災を教訓とした内容に重点を置いた震災訓練を行なってまいります。
 また、今年度は市役所庁舎の耐震診断と改修調査費を予算計上していますので、その調査結果を踏まえ、その後に実施設計を行い、災害対策本部として機能する庁舎の耐震改修に取り組んでまいります。
 一方、夏の電力不足を想定した節電計画を作成し、市役所はもとより、市民の皆さんや企業、商店街などにもきめ細かな対応をしていただくよう協力要請を行なってまいります。
 なお、小中学校のエアコン設置工事につきましては、震災の影響により機器の確保が難しいことや節電への対応、国庫補助金の凍結などがありますが、今年度中には実施したいと考えています。また、残りの学校についても予定通り平成24年度に実施させていただきたいと思います。
 2点目は、行財政改革の実行であります。
 第2次・第3次行財政改革では、職員数の削減や給与の適正化、民間委託の推進、指定管理者制度の導入など多岐にわたる行財政改革を行なってきたところでありますが、最小の経費で最大の効果を上げることが行政の使命であり、効率的な行財政運営を行なっていくために、常に事務事業の改善、見直しを図り、健全な行財政運営を行なっていかなければならないと考えています。そのために、職員の人材育成や事務事業の見直し、民間活力の導入などを盛り込んだ第4次行財政改革を確実に実行してまいります。現在、具体的な取り組みを示す実施計画を策定していますので、策定しましたら明らかにさせていただきたいと思います。
 3点目は、「子どもたちが輝く、子育ての清瀬、教育・スポーツの清瀬」を目指します。
 子どもは日本の宝であり、子どもたちが心身ともに健全で、伸び伸びと育ってほしいと願うものであります。
 市内には子育て支援のNPO法人が、子育てひろば事業をはじめ、ファミリーサポート事業、ホームビジター派遣事業などの先駆的な事業を行なっており、多くの市民の皆さんにご利用いただいています。さらに、多様な家庭環境に対応した子育て支援サービスの充実に努めます。
 一方、学校教育では、豊かな心や確かな学力を育む基礎づくりとして読書活動の充実を図る「読書の清瀬」、新体力調査を通じて体力向上に向けた取り組みを推進する「スポーツの清瀬」を目指します。また、自他の生命を尊重し、自尊感情を高める「命を大切にする教育」に取り組むほか、教育環境の整備・充実を図っていきたいと考えています。
 4点目は、「水とみどりの保全」に努め、うるおいのあるまちづくりを進めます。
 平成23年度では、22年度に引き続き、神山特別緑地保全地域の一部を相続に伴い2,500平米を買い取るほか、保全緑地地域の公有地化の計画と合わせ、萌芽更新などを計画的に行い、昆虫や蝶が飛び交う雑木林の再生を行なっていきます。
 また、清瀬橋の架け替えに伴う親水公園の整備につきましては、現在、東京都が旧河川との合流部分の整備を行ない、その後、基盤部分を整備することになっていますので、市では、基盤部分の上に、親水公園を市民の皆さんとともに整備していきたいと考えています。
 5点目は、都市農業と商工業の活性化を図ることであります。
 都市化とともに農地が減少する中で、市内では野菜栽培を中心に都市農業が盛んであります。清瀬産野菜として「霜あてほうれん草」と「ベータキャロット」を3年間研究し、すでに市場に出荷されていますが、今年度はそのPRに努めます。今後も「農のある風景」を守りながら、新鮮でおいしい清瀬産野菜の生産を支援するとともに、学校給食での取扱量を増やすなど、地産地消の推進に努めていきます。また、畜産農家の牛糞や落ち葉などをEM菌を使った有機質堆肥として有効活用できるよう検討したいと考えています。
 商工業の振興につきましては、平成21年度から3年目になりますプレミアム商品券の発行や、毎年行っています新・元気を出せ!商店街事業により商店街の活性化を図っていますが、さらに、各商店が創意工夫を行い、個性と魅力を引き出せるよう商工会とも連携して支援していきたいと考えています。
 6点目は、市民協働の推進であります。
 この度の東日本大震災により、改めてコミュニティの大切さを認識しています。現在、第六小学校区に続き、第七小学校区で円卓会議を進めており、地域コミュニティの活性化を図っていますが、できるだけ早い時期に第三小学校区でも円卓会議を実施し、その後、他の小学校区にも普及させたいと考えています。また、「新しい公共」社会に向け、NPO法人等が今まで以上に行政の新たな担い手となることができるよう支援していきたいと思います。
 7点目は、「清瀬文化」の創造であります。
 昨年の12月にオープンした清瀬けやきホールを音楽活動の拠点施設として、より多くの市民の皆さんに楽しんでいただけるよう、各種の音楽を提供していくこと。また、ケヤキ ロードギャラリーをたから幼稚園まで延長し、清瀬市のシンボルロードとして質の高い街並みを築き、清瀬市の個性に磨きをかけ、地域の活性化に努めていきたいと考えています。
 以上のような施策等を進め、活力ある、住んでよかったと実感できるような清瀬を築いてまいります。

3月以降の行政上の主な事項

 次に、3月以降の行政上の主な事項についてご報告いたします。
 はじめに、第4回環境フェア清瀬について申し上げます。
 去る5月22日、児童センター及び神山公園を会場に「みんなで作ろうふるさと清瀬」をテーマに、第4回環境フェア清瀬を開催いたしました。今年も、市内の小中学生による「未来につなぐ私たちのエコチャレンジ」をテーマにしたポストカード等を館内に展示したほか、今年は新たに明治薬科大学と大林組にもご参加いただき、環境市民団体及び企業など39団体が出展したパネル掲示、太陽光発電の技術啓発や堆肥の活用等、日頃取り組んでいる啓発活動についてアピールしていただきました。当日は、約4,500人の市民の皆さんにご来場いただきました。
 2つ目は、第68回国民体育大会の準備関係について申し上げます。
 平成25年に開催される東京多摩国体「スポーツ祭東京2013」では、下宿第三運動公園サッカー場を会場に、女子のサッカー競技を3日間開催することになっています。また、来年はリハーサル大会として全国社会人サッカー選手権大会も予定されています。市では、国体を成功させるための準備を着実に行うため、今年度、下宿第三運動公園サッカー場の改修工事を行うほか、関係機関や関係団体、市民の皆さんのご協力をいただきながら、6月15日には第1回目の実行委員会を開催し、今後は実行委員会に合わせ専門委員会も立ち上げて準備を進めていきます。また、国体に合わせ各種のスポーツ大会等も行っていきたいと思います。
 3つ目は、清瀬市高齢者福祉計画・第5期介護保険事業計画及び第3期障害者福祉計画の策定について申し上げます。
 今回策定する計画は、平成21年に策定した保健福祉総合計画の5つの個別計画のうち、高齢者及び障害者関係の計画を改定するものです。そのために、2つの計画で6人の公募委員を含む、保健福祉の分野で活躍しておられる25人の皆さんに策定委員としてご参加いただき検討をお願いすることとしました。今後、策定委員会で検討をいただき、パブリックコメントを実施し、来年3月には両計画を策定したいと考えています。
 4つ目は、まちづくり委員会からの提言について申し上げます。
 まちづくり委員会は、市民がまちづくりの主体であり、まちづくりに参画することを保障した「清瀬市まちづくり基本条例」に定められた他市にはない市民参画の機関であります。
 去る5月31日に、まちづくり委員会から、22年度の審議結果として2件の提言をいただきました。
 一つは、「清瀬市まちを美しくする条例の活性化」で、市民の共有財産である市内の緑や柳瀬川流域などを守るため、条例をもっと活用しやすく活性化すべきというものです。もう一つは、「まちづくりリーダー制の導入と育成を」というもので、市が進めているコミュニティはぐくみ円卓会議を早期に普及させ、地域で様々な活動をするリーダーを発掘し協働を進めるという提言をいただきました。まさに、「手をつなぎ 心をつむぐ みどりの清瀬」を具現化していく提言であり、早速、それぞれの担当部署に実現について検討を指示したところであります。
 最後に、清瀬にんじん焼酎「君暮らす街」の販売について申し上げます。
 今年も、清瀬の農業と商業の連携により、清瀬にんじん焼酎「君暮らす街」を限定3,000本、1,300円で、6月4日に発売いたしました。ラベルは、清瀬市在住のペーパークラフト作家 太田隆司さんの作品を使用しています。ぜひお求めいただき、清瀬産にんじん焼酎の味をご堪能いただきたいと思います。
 このほか、本定例会には、平成23年度清瀬市一般会計補正予算などいくつかの案件をご提案申し上げておりますので、よろしくご審議を賜りますようお願いを申し上げ、私の所信といたします。

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郵便番号:204-8511
住所:東京都清瀬市中里5-842 清瀬市役所2階
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ファックス:042-492-2415

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