原子炉注水ラインを多重化 福島第1原発1~3号機
東京電力は福島第1原発1~3号機で、原子炉冷却の注水に使うポンプと配管の多重化工事を終えた。通常のポンプが停止しても、新たな注水ラインで安定的に冷却を継続できる。
1~3号機では原子炉内の燃料や溶け落ちた燃料が熱を出し続けているため注水による冷却が続けられている。それぞれの原子炉内には、通常の運転で使用する「給水系」と、緊急炉心冷却装置の一つで、炉心に水をかける「炉心スプレー系」の2系統で注水。いずれも原子炉建屋から離れた高台にあるポンプで水を送っている。
東電は今回、原子炉建屋隣のタービン建屋内に設置していたポンプと、炉心スプレー系とをポリエチレン製の配管でつないだ。給水系とは接続済みだった。高台のポンプとタービン建屋のポンプはそれぞれ異なる電源を使用しているため、高台のポンプが停電で使えなくなっても、タービン建屋のポンプを使って給水系と炉心スプレー系で注水を続けることができる。
工事は14~16日に実施し、試験運転もすでに終えた。当面は緊急時の代替注水ラインとして使用する。将来的には、メーンに使うポンプを、建屋から遠く水漏れなどのリスクがある高台のポンプから、より原子炉に近いタービン建屋内のポンプに切り替える方針だ。
(共同通信)
2012/11/17 20:49